【Q&A】頭の強打で認知症を発症?認知症の種類とそれぞれの違い

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76歳父について

76歳の父です。物忘れがひどくなり、高齢者専門の内科を受診して、『アルツハイマー型認知症』と診断されました。約6年前に、頭を強打した経験があり、他の症状から、「血管性認知症ではないか」、と思い医師に相談したのですが、「年齢的に仕方がない」と言われたのですが、諦めるしかないのでしょうか?回復のチャンスを逃しているようで、病院を変える方が良いのでしょうか?(47歳 女性)

専門家による回答

アルツハイマー病は脳内にアミロイドとタウという2つの蛋白が異常に蓄積することが分かっています。頭を何度も強打したあとに認知症に発展することは時々あり、有名なのは「ボクサー脳症」ですが、この場合はタウ蛋白のみの蓄積となり、アルツハイマー病とは異なるタイプの認知症です。お父様の場合は、頭の強打が1回だけのようですので、このボクサー脳症では無さそうですね。またもしお父様の頭部外傷が強くて、脳出血や硬膜下血腫などの頭蓋内出血による脳への直接的ダメージが強かったという場合は、「頭蓋内出血後認知症」ということになり、脳血管の動脈硬化によって起こる「血管性認知症」とは異なると思います。ただ頭部外傷や頭蓋内出血後に「正常圧水頭症」というタイプの認知症が発症することがあります。また6年前に頭を強打した経験は有りますが、お父様の認知症状との因果関係は無く、老年内科の主治医の先生のおっしゃるようにアルツハイマー病の症状が76歳になってたまたま出てきたということかも知れませんね。この場合はアルツハイマー病の治療をお受けになればよいと思います。

(2016年4月18日(月)放送関連)

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