【Q&A】臼蓋(きゅうがい)形成不全の手術と術後の症状について

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右骨盤の臼蓋形成不全ということで骨盤から自骨をとってきて足りない部分に補う、という手術を2年前に内視鏡で行ってもらいました。手術直後から太ももの前面から外側にかけてしびれがあり、担当医は、時間とともに軽減されるだろうとの説明でしたが、現在も状況は余り変わっていません。
しびれだけでなく、寒い時期になると足首から太もも右側側面にかけて、神経痛のような筋肉痛のような痛みや、筋肉のこわばりがあり、階段を上ったり歩いたりするのが苦痛です。この痛みをなくすには何が必要ですか?(57歳 女性)

専門家による回答

お話の内容だけでは、十分な判断ができませんが、股関節の痛みではないのでしょうか?臼蓋形成不全に対しては、現在最もよく行われるのが寛骨臼回転[かんこつきゅうかいてん]骨切り術(RAOといわれます)です。これらの手術は、術後時間がかかるため手術を敬遠される方も多いです。臼蓋形成術は、RAOより侵襲が少ない手術で、昔よく行われた方法ですが、成績が必ずしも満足できるものではなく、RAOに変わったと考えて良いと思います。そのため、術後経過するとRAOよりもはやく悪化する可能性があります。
次に、しびれについてですが、術後すぐに起きているのであれば、骨を採取したことによる合併症あるいは、内視鏡による大腿外側皮神経の損傷などが考えられますが、どちらも手術で起きる可能性のあるもので完全に避けるのは難しいものです。多くの場合、術後2年までには改善することが多いですが、残存することもあるようです。しかし、足首からの痛みやこわばりは、これらの神経の症状とは違いますので、腰など他に原因があると思います。場合によっては、腰の手術が必要なこともありますので担当医とよくご相談してみてください。

(2016年5月16日(月)、17日(火)放送関連)