【あの人の健康法】モデル・道端アンジェリカ 乾せんと共に生きる

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各界を代表する方々の健康の秘訣や闘病記をご紹介する「あの人の健康法」。
今回は、「道端3姉妹」の3女でモデルとして活躍する道端アンジェリカさんです。

アンジェリカさんは数年前に皮膚の難病「乾せん」を発症し、現在もその症状と向き合っています。
一時は、乾せんの症状に泣いてばかりの日々で、鏡で自分の姿を見ることさえできなかったというアンジェリカさん。しかし、現在は、乾せんであることをSNSで堂々と告白し、乾せんに対する正しい理解を広めるための活動に積極的に参加して多くの人に勇気を与えています。アンジェリカさんの苦悩の日々と、どのように病気と向き合っているのか伺いました。

アンジェリカさんが苦しんだ「乾せん」とは?

乾せん

乾せんは、慢性的な炎症を伴う皮膚の病気で、紅斑(こうはん)と呼ばれる赤い発疹や鱗屑(りんせつ)と呼ばれる白っぽいかさぶたができるのが特徴です。かさぶたがはがれ落ちてフケのように見えることもあります。乾せんは関節リウマチなどと同じ自己免疫疾患で、日本に数十万人の患者がいると考えられています。

乾せんの発症

Q:初めて乾せんに気づいたのは?

道端:6年前ぐらい前に、初めて10円玉とか5円玉ぐらい小っちゃいのなんですけど、(発疹が)2か所できて。それがたぶん乾せんだったんだなと思います。今思うと。

Q:今思うとということは?

道端:その時は乾せんのことは名前も知らないですし、ただその部分だけちょっと乾燥しているというか、肌荒れしてるなぐらいにしか思っていなかったです。それぐらい小さいもので、本当に気にならなかったです。

道端:それから、ケガをして入院した時があったんですけど、たぶんストレスが溜まったのか、一気に体にブワーッて出て。顔にも出ましたし、生え際、お腹、背中、二の腕とかにも全部出ちゃって。だから、髪の毛は結べなかったです。全部下ろして隠していました。

乾せんの症状に泣いた日々

Q:乾せんの症状も辛いですけども、気持ちの面でもつらかったのでは?

道端:つらい。気持ちはもうめちゃくちゃやられちゃってて、お風呂も電気つけて入れないですし。鏡を自分で見られないので。もう泣いちゃうので、見ちゃうと。真っ暗で入っていましたね。鏡で裸を見たくなくて、自分の。
今は(乾せんと)向き合えていますけど、もう当時は向き合い方もわからず、ただ日に日に増えて行くわけのわからないものに泣くばっかり。どうしていいかもわからなかったし。

Q:誰かに相談しなかったんですか?

道端:しなかったですね。やっぱり恥ずかしいっていう気持ちがあったし、言って気持ち悪いって思われるんじゃないかとか。当時は、自分だけだと思っていて、乾せんっていう病気になっている人なんて世の中に。聞いたこともなかったものだし。「なんで私だけなんだろう?」みたいな。だから、本当に誰にも相談もできませんでした。

生物学的製剤で治療を開始

乾せんの主な治療法

骨折も治り、モデルの仕事を本格的に再開するにあたって、いよいよなんとかしなければと思ったというアンジェリカさん。乾せんと認めたくない気持ちを抑えて、ついに専門の医療機関を受診しました。そこで勧められたのが生物学的製剤による治療でした。

生物学的製剤は、生物のたんぱく質から作られた薬で、点滴や注射で投与します。比較的新しい薬で、価格が高い一方、症状を抑える効果が高く、これまで治療が難しかった乾せんの特効薬として注目を集めています。

Q:生物学的製剤は効果ありましたか?

道端:効果ありましたよ!2週間ぐらいで(症状が)すぐ消えて、「今までの悩みはなんだったんだ?」っていうぐらい。すごく嬉しかったです。

乾せんを公表して自分が救われた

2017年、アンジェリカさんは自身のSNSで突然、乾せんであることを公表しました。インターネットで「肌が汚い」といった心ない声を目にし、「こんな重荷はもう背負っていられない!」と衝動的に公表してしまったということですが、寄せられた反応は意外なものでした。

Q:乾せんを公表したSNSの投稿には、3万件ぐらいの「いいね」がついたそうですね?

道端:「えー!?こんなことになっちゃった」と思って。

Q:ということは、それは予想外の反応だった?

道端:予想外、予想外です。本当に全然そんなつもりもなかったから、むしろ皆さんが「アンジェリカさん、ありがとう!公表してくれて」と言ってくれて。むしろこんなに乾せんの患者の方がいたんだと思って。もう私のほうが逆に勇気もらえたというか。
私は(乾せんにかかっている人なんて)絶対に自分しかいないと思っていたし、すごく一人ぼっちだったから、本当につらかったんですね。だから、こんなにもたくさん悩んでいる方がいるんだって思ったら、「いやいや、こんなに落ち込んでいる場合じゃない」と思ったし、自分の立場を使ってじゃないですけど、「もっと乾せんのことを広めたいな」と思えたし。私が本当にすごく勇気をもらえて、みんなから。救われました、私が。

乾せんの啓発活動に込める思い

現在、アンジェリカさんは乾せんに対する偏見をなくし、正しい理解を広げるため、講演や患者向けのファッションショーなど、積極的に活動を行っています。そうした活動に込める思いとは?

道端:乾せんって、うつらないんですよね。でも名前が「かんせん」なので、感染病なんじゃないかとか、うつるんじゃないかと思われがちで。やっぱりそれが患者さん本人たちも頭にあるから、どうしても温泉やプールにも行けないし、日々肌を隠すようになっちゃう。その環境が本当は乾せんの方にとってはすごくよくなくて。乾せんの方って日光に当たったほうがいいんですね。
なのに、そういう環境を自分たちで作れなくしているので、皆さんが少しでも、うつらないだったりとか、乾せんというものをもっと身近にじゃないですけど、もっとメジャーなものになってくれたら、そんなに気にならないから、患者の方も皆さん、肌を出して生活できるようになるしっていう思いですかね。みんな気楽になってほしいです。

道端アンジェリカ

アンジェリカさんは最後に「一人じゃない!!」というメッセージを残してくれました。

乾せんであることを誰にも言えず、孤独を感じていた時期があったからこそ、多くの仲間がいるありがたさや喜びもひとしおだといいます。笑顔で前向きに乾せんと向き合う姿を通して、今まさに乾せんで悩んでいる人の力になりたいということです。

この記事は以下の番組から作成しています

  • きょうの健康放送
    あの人の健康法「道端アンジェリカ」