がんを光らせて手術!蛍光イメージングとは?

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肝がんが光る

肝がんの手術の前に、患者にICG(インドシアニングリーン)という薬を注射しておいて、手術中の肝臓に「近赤外線」の光を当てると、「肝がん」が蛍光を発して光ります。これは、肝がんの細胞の内部や肝がんの周辺に、ICGが滞留するためと考えられています。

手術中にがんが光っているため、医師はがんの位置と広がりを正確に把握することができ、がんの取り残しを減らす効果や、健康な肝臓を取り過ぎるのを防ぐ効果があります。この技術は「蛍光イメージング」と呼ばれ、最新手術の一つとして注目されています。

がんが緑色に光っている
がんが緑色に光っている

ぼうこうがん・脳腫瘍が光る

ぼうこうがんや脳腫瘍の手術では、5-ALA(ファイブアラ)という薬を使ってがんを光らせることで、がんの取り残しを減らせることがわかっています。この方法は、ぼうこうがんと脳腫瘍の手術で、2018年から保険適用になっています。

5-ALA

大腸の血流を光らせる

蛍光イメージングは、がん以外を光らせることで、手術の成功率を高めることにも使われています。大腸がんの手術では、術後の縫合不全を防ぐため、蛍光イメージングによって大腸の血流のよしあしを評価し、切除する場所を決める研究が行われています。

大腸の血流を光らせる

左の写真が切除前(通常)、右が切除前(蛍光イメージング)です。右の写真を見ると、青く光っている左側の部分は血流が良く、光っていない右側は血流が悪いとわかります。この結果から、医師は左の写真のピンセットで示した部分で切除します。

センチネルリンパ節を光らせる

センチネルリンパ節を光らせる

センチネルというのは、「見張り役」という意味です。センチネルリンパ節は、がん細胞が最初に到達するリンパ節です。センチネルリンパ節を切除して、がん細胞の有無を調べることで、がんが転移しているかどうかを診断することができます。しかし、センチネルリンパ節の場所は人によって違うため、その正しい位置を特定することは困難です。そこに蛍光イメージングが力を発揮します。「乳がん」、「皮膚がん」におけるセンチネルリンパ節を切除する手術では、2018年からICGを使った蛍光イメージングが保険適用となっています。

蛍光イメージング