医療や介護の現場で注目!リハビリロボット・介護ロボット・健康長寿ロボット
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リハビリロボット
今、リハビリのためのロボットが次々に開発されています。ロボットを使ったリハビリの主な対象は、「脳卒中」や「脊髄損傷」などの患者さんです。たとえば、脊髄損傷で両足にまひがある人が立って歩くことができるロボット、脳卒中などの後遺症でバランス能力が低下した人の歩行を補助してくれるつえロボット、腕にまひがある人が使う腕のリハビリロボット、ゲームをしながらバランスを鍛えるバランスアシストロボットなど、実に多彩なロボットが開発されています。
リハビリロボットの効果
脊髄損傷で両足がまひした人が、歩行を補助するロボットでリハビリを行うと、補助なしに歩けるようになるわけではありませんが、「股関節やひざの関節や筋肉が柔らかくなる」、「下半身の血行がよくなる」などの効果が現れています。このようにロボットに医学的効果があることは重要です。
一方、ロボットの安全性も大切です。たとえ効果があったとしても、けがをするリスクが高いロボットは実用化されません。



介護ロボット
介護に役立つロボットも次々に開発されています。介護ロボットには、「介護される人を補助するロボット」と、「介護する人を補助するロボット」があります。
「介護される人を補助するロボット」としては、屋外を歩行する際、下り坂で自動ブレーキがかかり、上り坂で電動パワーアシストが働く「移動支援ロボット」、室内でベッドからトイレへの移動を補助する「室内移動支援ロボット」などがあります。さらに、赤ちゃんの形をしていて、あやすと笑い、ほっておくと泣く「コミュニケーションロボット」もあります。
「介護する人を補助するロボット」としては、浴槽の底に設置された高感度の圧力センサーが利用者の呼吸数と心拍数を計測し、異常があるとアラームを鳴らして排水する「ロボット風呂」、介護施設のベッドの上に設置して、呼吸、心拍、寝返りを測定して睡眠状態を伝える「センサー型の見守りロボット」、車いすがリクライングしてベッドに変身する「車いす型ベッドロボット」などがあります。
介護ロボット開発で重要な現場の声
介護ロボットで重要なことは、介護現場が求めるニーズにきちんと合った「実用的なロボット」であることです。実際の介護施設などで使えなければ、存在意義はありません。実際の動線の中で、現場のニーズに応えるロボットであることが重要です。





健康長寿を支援するロボット
リハビリロボットや介護ロボットは、健常な高齢者の健康維持にも役立つと期待され、いま、国立長寿医療研究センターで様々な研究が行われています。リハビリのためのバランスアシストロボットを使って楽しくゲームをすると、バランス能力が維持・向上して、転倒防止に役立つと考えられています。また、日常の中でつえロボットを使うと、移動距離が延びて、足腰の力や心肺機能の維持・向上に役立つと考えられています。
