詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2019年4月 号に掲載されています。

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がんにはさまざまな種類がありますが、厚生労働省は、胃がん・肺がん・大腸がん・乳がん・子宮頸(けい)がん、この5つのがんに対し、定期的にがん検診を受けることを推奨しています。これらのがんは、かかる患者さんの割合(り患率)や死亡率が高い一方、がん検診を行うことで集団の死亡率を下げる効果があることが、確認されています。それぞれのがん検診の対象者や受診間隔、検査項目についてまとめました。
2016年に厚生労働省が定めるがん検診の指針が一部改正され、特に胃がん検診に大きな変更が加えられました。改正前は40歳以上を対象に1年に1回の受診が推奨されていましたが、改正後は50歳以上を対象に2年に1回の受診推奨に変更されました。この背景には、現在の40代より若い世代では、胃がんの原因とされるヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の感染者が減り、胃がんの発症者が減っていることがあります。
また、検査項目も胃部エックス線検査(バリウム検査)か胃内視鏡検査のどちらかを選ぶことができるようになりました。ただし、自治体によってはまだ胃内視鏡検査を選択できないところもあるので、お住いの市区町村の保健センターなどで確認する必要があります。
肺がん検診は40歳以上を対象に1年に1回の受診が推奨されています。検査項目は問診と胸部エックス線検査で、50歳以上で喫煙指数が600以上の肺がんハイリスク対象者には、喀痰(かくたん)細胞診も併せて実施されます。
※喫煙指数:1日の喫煙本数 × 喫煙年数 から算出される
大腸がん検診は40歳以上を対象に1年に1回の受診が推奨されています。検査項目は問診と便潜血検査です。便潜血検査では2日分の便を採取しますが、どちらか一方だけが陽性で一方が陰性という結果であっても、精密検査が必要です。
乳がん検診は40歳以上の女性を対象に2年に1回の受診が推奨されています。検査項目は問診と乳房エックス線検査(マンモグラフィー)です。
子宮頸がん検診は20歳以上の女性を対象に2年に1回の受診が推奨されています。検査項目には問診と視診、内診、子宮頸部の粘膜をこすって細胞をとり、顕微鏡で調べる細胞診があります。
なお、子宮体がんに対する検診の効果はまだよくわかっていないため、国が推奨するがん検診には含まれていません。子宮体がんは比較的早期から不正性器出血がみられるため、とくに閉経後に不正性器出血がある場合には、早めに産婦人科を受診しましょう。
がん検診は受けて終わりではありません。その後、要精密検査の結果を受け取ったら、必ず精密検査を受けに行くようにしましょう。
詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2019年4月 号に掲載されています。