健康診断の結果で見るべき3つのポイントと変動しやすい数値

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健康診断の結果はどう見る? チェックするべきポイント3つ

健康診断チェックポイント

健康診断をせっかく受けても、結果の見方が分からずに放置していませんか?

健康診断結果をきちんとチェックすれば、症状がないうちから「病気の前兆」を発見できます。3つのチェックポイントに照らし合わせて、あなたの健康診断結果を見直してみましょう。

(1)前回と比べる

数値が基準値以内でも去年より悪くなっているものは要注意です。そのままの生活を続けていると、将来的には病気になる可能性が高いと言えます。

特に注意したいのが「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」。HbA1cは最近1~2カ月の血糖値を反映しているので、いつ計測しても比較的安定した数値を知ることができます。HbA1cは6.5%以上で糖尿病の恐れがありますが、数値が年々悪くなっている人、既に基準値を上回っている人は、炭水化物を減らすこと、お酒を減らすこと、運動することが大切です。

(2)家族の結果もチェック

家族同士は生活習慣が似ることから、同じような生活習慣病を発症しやすいと考えられます。家族の結果もチェックして、病気の発見や生活習慣の改善に役立てましょう。

特にチェックしたいのは、「LDLコレステロール(悪玉コレステロール)」です。140以上は高値ですから、まずは炭水化物や肉を減らすこと、野菜を増やすことが大切です。

自分も家族もLDLコレステロールが180以上と高値の場合は、生まれつきLDLコレステロールが高くなる、「家族性高コレステロール血症」と呼ばれる遺伝性の病気の場合もあります。

(3)食べすぎ飲みすぎの人は特にチェック

普段から食べすぎたりお酒を飲みすぎたりする人は、肝臓の機能を示す「AST」「ALT」「γ(ガンマ)-GTP」をチェックして下さい。また、これらが基準値内であっても安心してはいけません。
実は、数値に異常がなくても、脂肪肝になっている場合があるのです。

そのような生活習慣がある人はまずは炭水化物を減らすこと、お酒を減らすことが大切です。また腹部の超音波検査を検討するのも良いでしょう。

変動しやすい数値がある

変動しやすい数値がある

検査した日によって検査結果の数値が変わってしまう...ということを経験したことはありませんか?
実はちょっとしたことで本来の状態からずれた数値がでる検査項目があります。下記はその一部です。

血清総ビリルビン...空腹時に採血すると少し高く出る場合があります。空腹でない時に採血をして基準値内であれば問題ありません。

中性脂肪 血糖...食後に高く出る数値なので、検査の日に朝食をとると高く出ます。「空腹時」とは10~12時間絶食した状態を指すので、検査時間の10時間ほど前からは食事をとらないでください。

尿素窒素・赤血球数・ヘモグロビン・ヘマトクリット...全て体の水分が少ない「脱水」の状態の時に増加します。脱水があると、血液が濃くなりますから、赤血球などの値も少し高くなります。

尿たんぱく...検査の前日~当日にかけて運動をすると腎臓に負担がかかり、一時的に尿たんぱくが出ることがあります。これは一時的なもので、問題はありません。検査の前日~当日は運動を控えましょう。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2019年4月 号に掲載されています。

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