栃木県在住のAさん(76歳・男性)は、18年前、口の中のある異変に気付きました。真夏にアイスクリームを食べていたとき、舌の奥の方に違和感があったのです。
はじめは、ただの口内炎かと思いましたが、違和感は一か月ほど続きました。毎朝「口の中がおかしい」とAさんが言い続けるのをきいて、不安を感じた妻が医療機関へ行くようにAさんを促しました。
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栃木県在住のAさん(76歳・男性)は、18年前、口の中のある異変に気付きました。真夏にアイスクリームを食べていたとき、舌の奥の方に違和感があったのです。
はじめは、ただの口内炎かと思いましたが、違和感は一か月ほど続きました。毎朝「口の中がおかしい」とAさんが言い続けるのをきいて、不安を感じた妻が医療機関へ行くようにAさんを促しました。
妻のアドバイスで、かかりつけの歯科を訪れたAさん。口の中を診てもらうと、舌の左下側に潰瘍がありました。歯科医が触診をしたところ、かなり硬くなっており、通常の口内炎ではないかもしれないとの診断でした。そこでAさんは紹介状を書いてもらい、大学病院で詳しく調べてもらうことになりました。
Aさんは、大学病院の歯科口腔外科を受診。患部の細胞の一部をとって検査する「細胞診検査」を受けました。診断結果は、早期の舌がんでした。口内炎と思われたものは、なんと大きさ1.5cmのがんだったのです。
「胃がんなどはよく名前を聞きますが、舌がんというのはあまりきいたことがありません。驚きました。」
Aさんは入院。まず抗がん剤治療を受けて、がんを小さくしました。そして1か月後に手術を行いました。手術は無事成功。舌がんを含む口腔がんは、早期発見すれば、ほとんどが治る病気です。Aさんは早いうちに受診したのが幸いしました。手術から18年たちますが、再発もしていません。
「早期発見というのは何の病気でもいちばん大事なこと。見つけてくださった歯科医の方には本当に感謝しています。」