【動画でわかる認知症】喫煙、睡眠不足、運動不足などの生活習慣が認知症のリスクを高める

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動画でわかる認知症運動の健康効果認知症

※この映像はNHK認知症キャンペーンの一環として2015年から2016年に放送された番組です。

マスター:ようこそいらっしゃいました。認知症カフェ『どーも』です。認知症を正しく知って治療、介護、予防をどうすれば良いのか、このカフェから発信してまいります。

マスター:藤田さん、いらっしゃいませー。

藤田:ん?。

マスター:眠そうですね。

藤田:そうなんです、寝不足です。ついつい明け方まで映画みたり、本読んだりしちゃうんですよねぇ。

マスター:あら?実はね、そういう生活習慣と認知症というものが結構関わりが深いんですってよ。

藤田:えぇ!?そう?

(カランカラン)

マスター:いらっしゃいませー

小原:どうも、こんにちはー

マスター:ちょうどよかった。認知症の研究がご専門の、小原知之さんです。

藤田:よろしくお願いします。

小原:よろしくお願いします。

藤田:今、寝不足とかの生活習慣が認知症と関係あるんですか?

小原:そうなんです、藤田さん。さまざまな生活習慣が、認知症と深く関わるということが分かってきました。

藤田:え!

小原:いわゆる生活習慣を改善すれば、認知症になるリスクを下げることができる可能性がわかってきたんです。

認知症と生活習慣病

藤田:そうですか...何をどう改善したらいいんですか?

小原:そうですね、まずはですね運動です。運動習慣がある方とない方で、将来、認知症の中でも最も多いアルツハイマー型認知症がどれぐらい起きるかというのを比較してみたら、運動習慣がある方はない方と比べて、アルツハイマーになるリスクが40%も下がっていたということが分かりました。

運動とアルツハイマー病

藤田:私、伊豆にいるんですけど、伊豆の人はどこに行くにもだいたい車。私もそうなっちゃってますけど。

小原:そうですね、歩いて5分くらいの距離も車で行っちゃうっていうのが今の実態なので、こういう運動不足が認知症の危険を高めることになっているんですね。

藤田:それは特にガシガシと運動しなくても、歩くぐらいでもだいぶ違うんですか?

小原:そうです。運動というと激しい思いをしないといけないという思いがあるかもしれませんが、そうではなくて、その方の能力に応じた無理のない運動習慣、いわゆる"歩く"だけでもいいんです。

藤田:歩くだけでも...!

マスター:実はですね、睡眠不足も認知症のリスクを上げてしまうんです。

オランダの研究で睡眠と認知症の関係が明らかになりました。
健康な大人を2つのグループに分け、一方は寝てもらい、もう一方は徹夜をしてもらいました。そして、アルツハイマー病の原因アミロイドβの量を調べると、きちんと寝た人に比べて、徹夜した人はアミロイドβの量が翌朝多くなっていました。

睡眠と認知症

いったい何が起きているのか。アミロイドβは脳の神経細胞が活発に活動すると作られます。しかし寝ている間に、脳の外に排出されます。ところが、徹夜をすると、わずか一晩でアミロイドβが増えてしまったのです。

藤田:たった一晩でですか!?その、えーアミロイドβ?

小原:はい

藤田:じゃあ、たくさん寝ればいいんですか?すごく寝てればいいんですか?

小原:そう思いますよね。でもそうではなくて、やはりそれぞれ個人にあった睡眠時間というのがあると思うんですけども、その人が一番調子の良いと思える睡眠時間をとるということが極めて大事になってくると思います。

マスター:他の生活習慣というとどういうことが挙げられますか?

小原:実はですね、たばこがあります。

藤田:たばこ。あ、喫煙ねぇ。

小原:はい

こちらは喫煙と認知症の危険性です。
喫煙すると、認知症になる危険性が上がっていきます。でも下げる方法があります。禁煙です。

血管性認知症の危険性は30%以上、アルツハイマー病の危険性も20%低下します。

喫煙と認知症

藤田:今からでもやめる。

小原:そう、藤田さんのおっしゃる通り、今からでももう、もう私はずっと吸い続けてるのでもう今更...というのではなくて、今からでも遅くありません。たばこは色々な病気を起こす原因でもあるので、極力吸わない方がいいかと。
あとそれに加えて運動とか睡眠とか、いろんな生活習慣に気をつけていただくことで、認知症のリスクというのも随分下がるのではないかと考えられています。

藤田:やっぱり認知症というのは現代病なんだなとつくづく思いますねぇ。

小原:そうですねぇ

マスター:あらためて、規則正しい生活を送んなきゃいけない!

藤田:早寝早起き、よく歩く!んー、歩きましょう!