狭心症の治し方・治療法を徹底解説 薬による治療や生活改善

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セルフケア・対処狭心症胸が痛い動悸(どうき)がする胸・心臓循環器・血管

狭心症治療の基本「生活習慣病の改善」

狭心症の治療の基本となるのは「生活習慣病の改善」です。
血管が詰まってしまう動脈硬化が悪化しないよう、高血圧の人は「減塩」、肥満や糖尿病がある人は「摂取エネルギーを抑える」など、毎日の食事に注意が必要です。また、適度に体を動かすことも大切。心臓の病気には運動は控えたほうがいいと誤解している人も多いのですが、ウォーキングなど軽い運動は、血流をよくしたり、血管をしなやかにしたりする効果があります。自分に適した運動が何か、医師に相談しましょう。
喫煙は心臓や血管に悪影響を及ぼす原因となりますので、禁煙しましょう。

狭心症 生活習慣での改善

狭心症の薬

狭心症の薬

狭心症と診断されたら、生活習慣の改善と併せて薬による治療も行います。薬はその働きにより4種類に分類され、狭心症のタイプなどで使い分けます。

狭心症の検査についてはこちら

発作時の症状を鎮める薬

ニトログリセリンなど...舌下錠(舌の裏で溶かす薬)とスプレーがあり、発作が起きた場合に備えて携帯し、症状が出たらすぐに使用する。

症状を予防する薬

β(ベータ)遮断薬...心拍数を抑え、心臓の負担を軽くする。
カルシウム拮抗薬、硝酸薬...血管を広げる。

動脈硬化を改善する薬

スタチン...コレステロール値を下げたり、動脈硬化でできたプラーク(血管内壁のこぶ)を安定させる。

血栓を防ぐ薬

アスピリンなど...血を固まりにくくする。

冠動脈の狭さくが進む場合など、心筋梗塞を起こしやすい狭心症には、カテーテル治療やバイパス手術を検討します。

狭心症の治療「カテーテル治療」「バイパス手術」についてはこちら

「薬」「生活改善」はカテーテル治療に劣らない効果がある

カテーテル治療と生活習慣・薬で効果に差はあまりない

狭心症が軽ければ、薬と生活習慣改善はカテーテル治療に劣りません。それを最初に実証したのが上の研究です。グループAは薬と生活習慣だけで治療を開始しました。うち約3割は必要になった時点でカテーテル治療などを行いましたが、約7割はそのままでした。
一方、グループBは最初にカテーテル治療を行いました。2つのグループの経過を観察したところ、死亡率や心筋梗塞の発症率に差がなかったのです。

こうしたことから、狭心症では近年、薬と生活習慣の治療をより重視し、カテーテル治療などはより慎重に選択するようになりました。

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この記事は以下の番組から作成しています

  • きょうの健康 放送
    心臓を守りたい「狭心症の治療」