詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2018年11月 号に掲載されています。

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五十肩(凍結肩)は、自然に治ってしまう人もいますが、必ずしも自然に治るとは限りません。実は、「なかなか治らないタイプの五十肩(凍結肩)」もあるのです。
まず、五十肩(凍結肩)と自己判断したり、あるいは診断されていたりしても、そもそも五十肩(凍結肩)ではなく、「腱(けん)板断裂」だったという例が少なからずあります。その場合は腱板断裂の治療が必要です。それ以外に正真正銘の五十肩(凍結肩)であっても、なかなか治らないケースがあります。
五十肩(凍結肩)が長引く原因はいくつかありますが、最近、注目されている原因の一つとして、肩に「新生血管(正常な血管から枝分かれして出来る新しい血管)」ができることが挙げられます。新生血管が作られてしまうと、症状が変化せず、肩の痛みが延々と続くことがあります。新生血管が五十肩(凍結肩)を長引かせる原因については、まだ完全には解明されていませんが、主に2つの原因が可能性として考えられています。
1つは、「新生血管が炎症物質の供給路になる」ということです。新生血管は、正常な血管と比べてもろいため、血液がもれやすいのが特徴です。血液中には、「白血球」が浮遊していますが、実は、その白血球は、炎症を引き起こす細胞なのです。新生血管から白血球がもれ出すと、その箇所に炎症が起こり、痛みを引き起こします。
2つ目は、「神経が増える」ということです。新生血管ができると、血管に沿って神経も伸びてきます。その神経が脳に痛み信号を送ります。
新生血管が原因の場合の五十肩(凍結肩)の治療に、カテーテルを使った「血管内治療」があります。
X線で透視しながら、カテーテルを使って新生血管に抗生物質(抗菌薬)を詰めます。すると、結果的に新生血管をつぶすことができるため、長引く五十肩(凍結肩)が治る場合があります。
この治療は、保険適用外にはなりますが、カテーテル治療を行っている医療機関で実施しているところがあります。
詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2018年11月 号に掲載されています。