詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2018年10月号に詳しく掲載されています。

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水中運動は陸上では得られない3つの特性「浮力」「水圧」「水の抵抗」を活用できます。
「浮力」は重力による体への負荷を軽くし、筋肉や関節への負担を軽くします。腰やひざなどに痛みのある人、肥満のある人などでも比較的楽に体を動かすことができます。
「水圧」は全身から心臓に血液を戻す作用を助けるとともに、一回の拍動で送り出す血液の量も増やします。結果的に心拍数や血圧が下がり、運動中の心臓への負担が軽くなります。
「水の抵抗」は、運動の際の負荷になります。水中に立っているだけでも全身の筋肉のバランスが良くなり、鍛えたい部位を動かして負荷をかけることで効率的なトレーニングができます。
水中運動は体力に自信のない人や、関節痛などで悩む人も効率的に体を鍛えることができ、転倒予防や、高血圧・肥満などの生活習慣病の改善、むくみ、腰痛や肩こりの解消などの期待が見込めます。さらにこうした効果を得るために泳ぐ必要はなく、水中ウォーキングだけでも十分効果に期待ができます。
また、水中ウオーキングでは全身の筋肉をバランスよく鍛えることができますが、歩き方を変えることによって、さらに狙った筋肉を効果的に鍛えることができます。そこでオススメなのが「前歩き」、「横歩き」、「後ろ歩き」の運動です。
「心臓に疾患がある」、「日頃から強い頭痛がある」人は医師に相談の上、行うようにしましょう。
また、水中に入ってから血圧が降下して安定するまでにおよそ2分かかります。そのため、運動を始めるのは2分ほど経過してからにするのがいいでしょう。
「前歩き」では脚の前側の筋肉を重点的に鍛えることができます。
このとき、脚はつま先で蹴り出すように進んでください。
蹴り出す時に、脚を真っ直ぐ前に出すことで、水の抵抗を受けやすくなります。
すると、転びそうになったとき、踏ん張るために必要な太ももの前側の筋肉「大腿四頭筋」、歩くときにつま先を上げてつまずきにくくするために必要なすねの筋肉「前けい骨筋」を鍛えることができます。
脚を真っ直ぐに上げられない場合は、プールの壁を横にして立ち、壁側の脚を壁に沿わせるよう上げる練習をしてください。これで脚を真っ直ぐ上げる感覚を身につけることができます。
「横歩き」は、特に股関節まわりの筋肉を重点的に鍛えることができる運動です。負担が少なく股関節まわりの筋肉を鍛えることができるので、例えば「変形性股関節症」などで股関節に痛みがある人も無理なく運動を行うことができます。
このとき、軸足を踏み出した脚に向かって引きつけるようにしてください。そして、両脚がそろった時にお尻をキュッと締め、腹筋にも力をいれましょう。
横歩きに進むと、水の抵抗により中殿筋を効率よく鍛えることができます。
中殿筋は、おしりの横側にあり、片足立ちをすると、踏ん張っているほうのおしりの横側を触るとギュッと硬くなっているところがありますが、それが中殿筋です。中殿筋を鍛えると、股関節の動きを支えることができ、左右にふらつかず、転倒を予防することができます。
「後ろ歩き」は、特に太ももの裏側を重点的に鍛えることができます。また、腰痛がある人にもオススメの運動です。
このとき、水の抵抗を受けやすくするため、できるだけまっすぐ進むことがポイントです。
太ももの後ろ側にある大腿二頭筋という筋肉を重点的に鍛えることができます。
さらに腰痛がある人は、腰への負担が少ないので、この後ろ歩きを行うだけでも、十分、運動の効果が見込めます。
「前歩き」、「横歩き」、「後ろ歩き」を好みで組み合わせて合計20分間を1セットとして、週に2回実践すると効果的です。
詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2018年10月号に詳しく掲載されています。