【乳がんセルフチェック】見て、触って、乳がんを早期発見

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乳がんを早期発見するには、40歳を過ぎたら2年に1度の検診。でも、30代以下で乳がんになった人の話も聞くし、本当に40歳からでいいのか、ちょっと不安ですよね...そこでまずは月に1度の「セルフチェック」をおすすめします。健康なうちに自分の乳房に関心を寄せておけば、いざ変化があった時に気付きやすいからです。

乳がんセルフチェックのやり方

タイミング

閉経前の女性は、生理が終わって1週間~10日以内がおすすめ。胸が柔らかい期間だからです。閉経した人は、毎月1日や誕生日と同じ日など、日にちを決めると忘れにくいですね。お風呂に入るついでに行うのが、面倒くさくなくておすすめです。

見る

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まずは鏡の前で両胸を見て、えくぼのようなへこみが無いかをチェック。がんが皮膚をひっぱると、へこみサインが現れます。へこみを見つけたら、その先を触ってみてください。しこりがあればがんの疑いがあり、しこりが無ければ、単なる脂肪の可能性が高いので、気にする必要はありません。

触る

次に、乳房を触ってみましょう。コツは、肌をつかまないこと。つかんでしまうと、乳腺を硬く感じてしこりと間違えやすいのです。

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指をそろえて、小さな「の」の字をいくつも書くように、くるくると全体を触ってください。

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「の」の字だとひっかかって難しい方は、乳房の周りから乳輪の側に横方向に触ってもOK。

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どこから始めてもいいですが、触り忘れがないよう、全体をくまなく触ってくださいね。力加減は、少し皮膚がへこむぐらい、ちょっと押し気味で。ぐいぐい押し過ぎても痛いですし、表面をなでるだけでは不十分です。
触る範囲は、鎖骨の下から、乳房のふくらみの下まで。もし高齢の方で乳房が下の方に垂れていても、乳腺は鎖骨の下に残っているので、同じ範囲を触るようにしてください。骨をしこりと間違える人もいますが、骨は長く伸びているのが特徴です。

つまむ

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最後に乳首の元を軽くつまんで、血が出ないかを調べましょう。がんがあれば、乳首の元にある乳管に血がたまることがあるためです。力加減は、軽くでOK。血が出る場合は、鼻血のようにたらっと出ます。ぎゅうぎゅう押すと、その力が原因で出血することもあるので、気を付けてくださいね。また透明な液体が出ても、気にする必要はありません。

大切なこと

毎月触ることで、自分の乳房の「"通常の"状態を知る」ことが大切です。そうすれば、いざ、それまではなかったしこりができた時に、気づきやすくなるからです。しこりの硬さは人によって違うので「石のように固いはず」などと思い込むのはNG。まずは自分の乳房の普段の状態を知ることで、肌荒れに気づくように、変化に気づいて頂きたいです。

変化に気づいたら...

へこみ、しこり、出血など、何らかの変化に気づいたら、お近くの乳腺外科を受診してみてください。ただし、もし生理の前にしこりを発見した場合は、焦らず、生理が終わるまで待ってみましょう。生理の前は乳腺が張るので、がんと間違えがちです。また、乳腺が張ると痛みを感じることがありますが、がんは痛みとは関係がありません。もし乳腺が張っているだけなら、生理が終わると自然と消えます。生理が終わってもしこりが残っていれば、お近くの乳腺外科を受診してみてください。

セルフチェックは完全ではありません

セルフチェックは、自分で「がん」に気づくための、あくまで目安です。セルフチェックでは見つからない「がん」もあります。また、遺伝的に乳がんになりやすい人もいます。
遺伝的に乳がんになりやすいかどうかのチェックリスト」も活用し、危険度が高い方は医療機関への相談をお勧めします。40歳以上の方は、必ず2年に1度の検診を受けましょう。

この記事はガッテン!2018/9/5(水)放送「86万人の自宅に届く!乳がんで死なないための切り札をあなたへ」をもとに作成しました。

【お答えいただいた専門家】
公益財団法人 東京都予防医学協会 がん検診・診断部長
坂 佳奈子(ばん・かなこ)
専門:乳がん検診・画像診断

この記事は以下の番組から作成しています

  • ガッテン! 放送
    86万人の自宅に届く!乳がんで死なないための切り札をあなたへ