糖尿病で合併症が起きる原因とは?危険な合併症の症状や原因を解説

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糖尿病は血管を傷つけ、その影響は全身に及ぶ!

糖尿病の合併症

糖尿病が進行すると、認知症や脳卒中、心筋梗塞など命に関わる病気につながる危険が高まります。
こうした原因の一つが、血液中のブドウ糖が過剰に増えたことで、全身の血管が傷つくことだと考えられているのです。なぜ高血糖だと血管がダメージを受けてしまうのでしょうか?

活性酸素が発生して、血管を傷つける

活性酸素が発生

血液中に増えすぎたブドウ糖は血管の壁にある内皮細胞に入り込みます。すると、活性酸素が発生し、血管を傷つけてしまうと考えられています。

細胞の中でたんぱく質とブドウ糖が結合し、
血管の機能が保てなくなる

たんぱく質とブドウ糖

また、増えすぎたブドウ糖は細胞内のたんぱく質に結合する性質があります。血管の細胞とブドウ糖が結合すると、細胞が変質してしまい、正常な機能を保てなくなってしまいます。
これらの原因から、高血糖状態が続くと全身の血管が傷つけられ、さまざまな合併症が起こると考えられているのです。

糖尿病の合併症

最も多い合併症「糖尿病神経障害」

糖尿病神経障害

糖尿病神経障害は最も発症の頻度が高く、糖尿病の早期の段階から症状が現れます。感覚を伝える末しょう神経が障害されることで、足の指や足の裏のしびれ、痛み、まひなどが起こります。
さらに、内臓の働きを調整する自律神経が傷害されると、胃のもたれ、便秘、下痢、立ちくらみなどが現れることがあります。糖尿病神経障害があると、足の感覚が鈍くなるため、靴ずれや、やけど、足のけがに気付きにくくなります。

また、高血糖状態は細菌にとって栄養が豊富な環境のため、細菌感染を招きやくなります。さらに周囲の血管は動脈硬化も同時に進行している場合があり、血流が途絶えがちになるため足の傷が治りにくくなってしまうのです。
そして、足にできた小さな傷でも壊疽(えそ)のような深刻な状態につながり、足や足の指の切断にもつながってしまいます。

毛細血管の塊 糸球体がこわれる「糖尿病腎症」

糸球体

腎臓は血液をろ過し、尿として体の外に排出しています。この働きを担っているのが腎臓にある糸球体。細い血管が毛糸の球のように丸まってできていて、この中を血液が通ることで老廃物や塩分・水分がろ過され、尿の中に排泄されます。

この糸球体が高血糖によってダメージを受けるのが糖尿病腎症です。糖尿病腎症になると、体内の老廃物のろ過が不十分になってしまい、進行すると人工的に血液をろ過する透析療法が必要になる場合もあるのです。

眼球の奥の血管が障害される「糖尿病網膜症」

糖尿病網膜症

眼球の奧、網膜と呼ばれる部分には、細い血管が張り巡らされています。ここに高血糖による血管の障害が起こるのが糖尿病網膜症です。進行すると網膜の血管が詰まり、その部分をバイパスするために血管(新生血管)ができます。新生血管はもろいため出血しやすく、網膜に異常が起こりやすくなります。
その結果、視力が著しく低下したり、場合によっては失明してしまうこともあるのです。

『糖尿病網膜症の治療』はこちら

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2018年9月号に詳しく掲載されています。

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