がん・認知症も!糖尿病で合併症が起きる原因と危険な三大合併症の症状

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糖尿病 糖尿病神経障害 糖尿病腎症 糖尿病網膜症 アルツハイマー病 目がおかしい 排尿がおかしい 麻痺(まひ)がある 全身 足・脚

糖尿病は血管を傷つけ、その影響は全身に及ぶ!

糖尿病の合併症

糖尿病が進行すると、認知症や脳卒中、心筋梗塞など命に関わる病気につながる危険が高まります。
こうした原因の一つが、血液中のブドウ糖が過剰に増えたことで、全身の血管が傷つくことだと考えられているのです。なぜ高血糖だと血管がダメージを受けてしまうのでしょうか?

糖尿病から合併症が進む理由

活性酸素が発生

血液中に増え過ぎたブドウ糖は血管の壁にある内皮細胞に入り込みます。すると、活性酸素が発生し、血管を傷つけてしまうと考えられています。

細胞の中でたんぱく質とブドウ糖が結合し、 血管の機能が保てなくなる

また、増え過ぎたブドウ糖は細胞内のたんぱく質に結合する性質があります。血管の細胞とブドウ糖が結合すると、細胞が変質してしまい、正常な機能を保てなくなってしまいます。
これらの原因から、高血糖状態が続くと全身の血管が傷つけられ、さまざまな合併症が起こると考えられているのです。

糖尿病の合併症

糖尿病の主な合併症

糖尿病と診断されても多くの場合は、自覚症状がありません。ところが、血糖値が高い状態を長く放置していると、目や腎臓の細い血管など全身のあちこちの血管が傷つき、さまざまな病気を招いてしまいます。これを糖尿病の合併症と言います。

目が悪くなる糖尿病網膜症、腎臓が悪くなる糖尿病腎症、神経が悪くなる糖尿病神経障害の3つが代表的で「三大合併症」と呼ばれます。最悪の場合、それぞれ失明、血液透析、足の指などの切断にまで至ります。
また、糖尿病は動脈硬化を進めて、脳梗塞や心筋梗塞といった命に関わる病気を引き起こすこともあります。

三大合併症

最も多い合併症「糖尿病神経障害」

糖尿病神経障害
糖尿病神経障害

糖尿病神経障害は最も発症の頻度が高く、糖尿病の早期から症状が現れます。感覚を伝える末しょう神経が障害されることで、足の指や足の裏のしびれ、痛み、感覚まひなどが起こります。
さらに、内臓の働きを調整する自律神経が傷害されると、胃のもたれ、便秘、下痢、立ちくらみなどが現れることがあります。糖尿病神経障害があると足の感覚が鈍くなるため、靴ずれや、やけど、足のけがに気付きにくくなります。

また、高血糖状態は細菌にとって栄養が豊富な環境なので、細菌感染を招きやすくなります。さらに周囲の血管は動脈硬化も同時に進行している場合があり、血流が途絶えがちになるため足の傷が治りにくくなってしまうのです。
そして、足にできた小さな傷でも壊疽(えそ)のような深刻な状態につながり、足や足の指の切断にもつながってしまいます。

糖尿病神経障害の予防と治療には、血糖値の管理が最も大切です。発症した場合には、しびれや痛みなどの症状をやわらげるアルドース還元酵素阻害薬などの薬が使われます。また、禁煙したり、高血圧・脂質異常症を改善することも予防と治療につながります。

【体験談】いつのまにか足の感覚がない「糖尿病神経障害」

毛細血管の塊 糸球体がこわれる「糖尿病腎症」

糸球体

腎臓は血液をろ過し、尿として体の外に排出しています。この働きを担っているのが腎臓にある糸球体です。細い血管が毛糸の球のように丸まってできていて、この中を血液が通ることで老廃物や塩分・水分がろ過され、尿の中に排泄されます。

この糸球体が高血糖によってダメージを受け、腎臓の働きが徐々に低下するのが糖尿病腎症です。糖尿病腎症になると、老廃物などが体内に溜まったり、必要なたんぱくが尿に漏れたりします。進行すると人工的に血液をろ過する透析療法が必要になる場合もあるのです。

糖尿病腎症は、最初のころは自覚症状がなく、相当進行してから、だるさ・むくみ・吐き気・食欲不振などの症状が現われます。早期発見するには、尿中アルブミン検査が有効です。
たんぱくの一種であるアルブミンは腎症のごく早期から尿に漏れるため、この検査によって見つけることができます。職場や自治体の健康診断で行われる尿検査や血液検査では、腎症がある程度進行してからでないと発見できません。

糖尿病腎症の予防と治療には、血糖管理が大切ですが、血圧管理も欠かせません。目標は130/80mmHg未満で、通常の高血圧の治療より厳しい値です。高血圧がある場合には、食事では減塩が必要で、目標は1日6g未満。腎症が進行した場合、たんぱく質やカリウムを制限することもあります。

眼球の奥の血管が障害される「糖尿病網膜症」

糖尿病網膜症

眼球の奧、網膜と呼ばれる部分には、細い血管が張り巡らされています。ここに高血糖による血管の障害が起こるのが糖尿病網膜症です。進行すると網膜の血管が詰まり、その部分をバイパスするために血管(新生血管)ができます。新生血管はもろいため出血しやすく、そこに増殖膜というものを作ります。新生血管と増殖膜は、硝子体と網膜を癒着させるため、加齢などによって硝子体が縮むときに網膜が引き剥がされてしまいます。その結果、視力が著しく低下したり、場合によっては失明してしまうこともあるのです。

網膜症の多くは、かなり進行するまで自覚症状がありません。ものが見えにくい症状が現れたら、相当悪化していると考えられるので、早期発見のためにも眼科を定期的に受診し、眼底検査を受けることをおすすめします。

網膜症の予防と治療に最も重要なのは、血糖値の管理です。過去1~2か月の血糖値の平均を表すヘモグロビンA1cという血液検査の値を7%未満に保つことが必要です。これは三大合併症で共通の目標値です。
網膜症がかなり進行したときは、光凝固療法という、網膜にレーザーを当てて新生血管ができないようにする手術や、増殖膜を取り除く手術も行われます。

『糖尿病網膜症の治療』はこちら

新しい合併症「がん・認知症」

糖尿病の合併症

最近では、がんと認知症も糖尿病の合併症と考えられるようになってきました。なかでも肝臓がんは2.0倍、すい臓がんは1.9倍、大腸がんは1.4倍と、それぞれ危険性が高まるとみられています。がんが糖尿病の合併症と考えられる理由には、「糖尿病とがんになりやすい生活習慣が共通している」、「インスリン抵抗性ががん細胞の増殖を促す」などがあげられます。

認知症では、アルツハイマー型の危険性が2.1倍に高まるとの報告があります。インスリン抵抗性があると血液中のインスリン濃度が高くなることで、アルツハイマー型認知症の関連物質の体からの除去を妨げてしまう可能性が指摘されています。

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詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2018年9月号に詳しく掲載されています。

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