心筋梗塞・狭心症とは?心臓突然死の症状や原因、予防法を解説

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心臓の仕組みと心臓の異常

心臓の仕組みと心臓の異常

心臓は全身に血液を送る臓器です。1日10万回以上も拍動し、送り出す血液の量は1日8000リットルにもなります。心臓は、心臓の筋肉(心筋)が正常に動くことで、全身に血液を送り出すポンプとして役割を果たしています。

心臓は4つの部屋に分かれており、上の2つを心房、下の2つを心室といいます。心房は血液を受けて心室に送り出し、心室は血液を肺や全身に送り出しています。
この心室がけいれんすることを「心室細動」といい、心臓から血液を送り出せなくなる最も危険な不整脈です。脳に新鮮な血液が届かなくなるため数十秒で意識を失い、そのまま数十分間以上続くと、全身の臓器も虚血状態になり、最後は死に至ります。

冠動脈に異常があると「心筋梗塞」「狭心症」を起こす

冠動脈の異常

ポンプのような働きをする心臓は、心臓自身も多くの血液を必要としますが、この心臓に血液を送っているのが「冠動脈」です。心筋は、心臓に周りにある冠動脈から酸素や栄養を受け取っています。この冠動脈が動脈硬化によって詰まってしまうのが「心筋梗塞」です。心筋梗塞では、詰まった冠動脈の周囲が壊死におちいって、激しい胸痛が起こります。また、冠動脈の内側が狭くなって、血液が流れにくくなり、心筋が酸素不足となって胸痛がでるのが「狭心症」です。

心筋梗塞や狭心症が起こると、心臓を拍動させる心筋の電気的興奮が乱れ、突然死を引き起こす「心室細動」などの危険な不整脈を招いてしまいます。突然死を防ぐためには、心筋梗塞や狭心症の予防が大切です。

心臓突然死とは

心臓突然死とは

突然死とは、急に起こった症状によって突然意識を失い、死亡することをいいます。
原因となる病気はさまざまですが、最終的には心臓の異変によって命が失われます。運動中に限らず、安静時や睡眠中でも突然死は起こります。死に至るほど重篤な症状でありながら、その病気であることを知らなかったという例が少なくありません。
また、突然死は高齢者に多いものの、若い人に起こることもあり、安心できません。

心臓突然死を引き起こす「危険な不整脈」

心室細動

突然死となるケースの大半で、心臓では「心室細動」という危険な不整脈が起こっています。心臓は収縮と拡張を規則正しく繰り返すことで血液を全身に送り出していますが、心室細動が起こると、血液を送り出す役割をする心室は、細かく震えるだけで血液をまったく送り出せなくなります。
そのため、脳が血液不足になって20~30秒で失神し、それが数十分以上続くと死亡するおそれが高くなります。

「心室頻拍」という不整脈は、心室が異常に早く拍動するもので、こちらも危険です。心室細動に移行して突然死を引き起こすことがよくあるからです。

心臓突然死の主な原因は「心筋梗塞」「狭心症」

突然死の原因と頻度
突然死

心臓突然死の主な原因としては、心筋梗塞・狭心症がもっとも多く50~60%とみられています。次いで多いのが心筋症で30~35%、さらに遺伝性不整脈が10%となっています。 心筋梗塞・狭心症は心臓の血管(冠動脈)の異常から、心筋症は心臓の筋肉(心筋)の異常から、それぞれ危険な不整脈が起こって突然死にいたります。

また、遺伝性不整脈は、遺伝子の変異が原因で起こる不整脈で、心臓の血管や心筋に異常はありませんが、危険な不整脈そのものが起きて突然死を招きます。

心筋梗塞・狭心症を引き起こす「動脈硬化」の原因と予防

動脈硬化の危険因子

突然死に至る病気として最も多い心筋梗塞・狭心症の最大の原因は、「動脈硬化」です。心筋梗塞・狭心症による突然死を防ぐには、動脈硬化になりやすい危険因子を避ける必要があります。具体的には、食べ過ぎ、運動不足、喫煙などの生活習慣を改善し、高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満などがあれば治療します。

心筋梗塞や狭心症の危険な自覚症状

危険な自覚症状

動脈硬化がかなり進行して、心筋梗塞や狭心症の危険性が高まっている場合、次のような自覚症状が現れることがあります。これらの症状があったら、必ず医療機関を受診するようにします。特に胸痛が10~20分以上続く場合や、痛みが非常に激しい場合は、心筋梗塞をまさに起こしている可能性があります。