様々な種類がある肉腫(サルコーマ) それぞれの特徴を知り、自覚症状を見逃さないことが大切

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肉腫(サルコーマ)とは

肉腫(サルコーマ)とは

肉腫とは、骨や脂肪・筋肉などに発生する悪性の腫瘍です。「希少がん」の一つで、罹患率(発生率)は、すべてのがんのうちの約1%といわれています。また、一言で肉腫といっても非常に多くの種類に分類されます。

大きく分けると、約25%が「骨の肉腫」、約75%が筋肉や脂肪、血管などの軟らかい組織にできる「軟部肉腫」です。患者数が少なく、様々な種類があるため、適切な診断や治療を行える医療機関が少ないという課題があります。

肉腫(サルコーマ)の診断

肉腫(サルコーマ)の主な検査

まず年齢、しこりなどが発生した時期、部位などの「問診」を行います。「画像検査」は、X線、CT、MRI、PETなどを行います。最終的には、「生検」という組織検査を行い、病理医が腫瘍組織を顕微鏡で見て、良性なのか悪性なのか、どんな病気なのかを確認することで診断します。生検は針を刺して組織を採取する場合もありますが、正確な診断のためには、手術によって十分な組織を採取したほうがよい場合もあります。

骨の肉腫とは

骨の肉腫

骨の肉腫には、細かく分けると多くの種類があります。割合が多いものは「骨肉腫」「軟骨肉腫」「ユーイング肉腫」です。骨肉腫は、よく知られている病気ですが、日本での発生数は年間200人~300人に過ぎません。骨の肉腫の約50%を占め、10代から20代の若年者のひざや肩の周囲に発生することが多い腫瘍です。

軟骨肉腫は約25%を占め、主に40代以上の方の大たい骨、骨盤、上腕骨に多くみられます。ユーイング肉腫は骨の肉腫の約15%で、主に20歳以下の若年者に発生し、大たい骨、骨盤、脊椎に多くみられます。これら以外のさまざまな腫瘍が残りの約10%を占めます。

骨の肉腫の症状

骨の肉腫 主な症状

最も多い症状は局所の「腫れ」や「痛み」です。実際は、見ただけではあまり分からないことが多く、触ると硬く腫れていたり、少し温かかったりして、違和感をもつ人が多いといわれています。骨肉腫は10歳代の青少年の、男性にやや多く発症することが知られていますが、このような年代の人の手足に、長く続く痛みや腫れが見られたときには成長痛と決めつけず、一度、病院を受診することが勧められます。
また病気が進むと骨が弱くなり、骨折を起こすことで見つかることもあります。ユーイング肉腫では、局所の症状に加えて、発熱など全身の症状を伴うこともあります。

軟部肉腫とは

主な軟部肉腫

軟部肉腫は、脂肪や筋肉など全身のあらゆる軟かい組織に発生し、30種類以上に分類されます。頻度としては「脂肪肉腫」が一番多く、他にも「平滑筋肉腫」「粘液線維肉腫」などの種類があります。種類によってよく発症する年齢や部位が異なります。脂肪肉腫は中高年に多く、平滑筋肉腫、粘液線維肉腫は高齢者に多く発生します。「太もも」や「でん部」、「後腹膜」といっておなかの奥深く、小腸や大腸の背中側などに多く発生します。

軟部肉腫の症状

軟部肉腫 主な症状

軟部肉腫の多くは、「痛みのないしこりや腫れ」として気づかれます。実際には、「しこり」や「腫れ」の多くは良性の軟部腫瘍であることのほうが多いですが、その中にまれに悪性の軟部肉腫が混ざっていることがあります。だんだん大きくなるしこりや腫れは悪性である可能性も疑い、専門病院を受診することが勧められます。ピンポン球より大きな5cm以上のものは要注意です。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2018年4月号に詳しく掲載されています。

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    シリーズ よく知られていないがん「肉腫(サルコーマ)」