治療後10年間は1年に1回は検査をしよう。悪性脳腫瘍の手術

更新日

脳腫瘍の手術

機能温存のための脳腫瘍の手術
神経膠〔こう〕腫の手術

画像:国立がん研究センター 脳脊髄腫瘍科 成田善孝

脳腫瘍の手術は手術法の進歩によって、以前よりも腫瘍を安全に切除できるようになってきており、また腫瘍をできるだけ広く切除しながら、脳の機能を保つことができる手術が行われるようになってきています。
覚醒下手術は、言葉や運動の機能を温存するため、患者さんと対話をしながら、脳の言語をつかさどる部位などを避けて行う手術法です。術中脳波・筋電図モニタリングは、脳や手足を刺激して脳波や筋電図を記録することで、手足の運動機能を温存し、まひが残らないようにします。
術中蛍光診断は、手術前に特殊な薬をのむことで、光を当てると腫瘍が赤く光るようになります。腫瘍の場所がわかりやすくなり、より的確に切除しやすくなります。術中MRIは、MRIで脳内に残っている病変を確認しながら手術を行うことで、腫瘍の取り残しを防ぐのに役立ちます。

悪性脳腫瘍 手術後の治療

手術後の治療

特に悪性脳腫瘍の大半を占める神経膠〔こう〕腫の場合は、手術後も放射線治療や抗がん剤による治療が行われます。放射線治療は、正常な脳組織に影響しないように少量の照射を週5回行い、それを6週間続けます。

神経膠腫のなかでも悪性度がもっとも高い膠芽〔こうが〕腫に対しては、抗がん剤による治療も行われます。テモゾロミドという薬を1年間服用し、病気の状態によってはベバシズマブという薬が追加されることもあります。これらの治療を終えたあとも、脳の状態や再発の有無を確認するために、定期的にMRIによる画像検査を受ける必要があります。悪性脳腫瘍は治療から20年後でも再発する場合があるので、ほかのがんとは異なり、少なくとも治療後10年間は1年に1回は検査を受け確認することが大切です。

再発した場合は、手術や放射線治療を再度行ったり、抗がん剤の追加や変更をして治療します。再発に対する新薬や治療法の開発が進められており、がんセンターや大学病院など、より専門的な施設を受診し、新薬の治験を含めた最新の治療を受けることが勧められます。

『Q&A悪性脳腫瘍』はこちら

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2018年4月号に詳しく掲載されています。

きょうの健康テキスト
テキスト発売中
購入をご希望の方は書店かNHK出版お客様注文センター
0570-000-321まで
くわしくはこちら