悪性リンパ腫とは?症状や治療法を解説 しこりの多くは痛みがない

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悪性リンパ腫とは

血液がんのなかで最も患者数が多いのが悪性リンパ腫です。

悪性リンパ腫は、白血球に含まれるリンパ球、または造血幹細胞から分化したリンパ芽球ががん化することで起こります。リンパ球は、病原体や異物を排除する免疫の働きを担い、骨髄や血液のほか、全身に点在するリンパ節やさまざまな臓器に分布しています。がん化したリンパ球は主にリンパ節で増殖し、腫瘍を作ります。
腫瘍は全身の臓器に生じる場合もあり、なかでも胃や腸に生じるケースが多く見られます。

国立がん研究センターの推計によると、日本では年間約3万人の方が悪性リンパ腫と診断されていると言われています。
年齢の特徴としては高齢になるほど悪性リンパ腫の方が多いと言われ、性別では女性よりも男性に多いという特徴があります。

悪性リンパ腫の症状

悪性リンパ腫の症状

悪性リンパ腫の症状で最も多いのが、首やわきの下、脚の付け根などのリンパ節の腫れで、しこりを感じることもあります。大きさは1~5cmのものが多く、大きいほど悪性リンパ腫の可能性が高くなります。多くの場合、痛みはありません。腫瘍のできた場所により、足のむくみや、せき・呼吸困難、腹痛や嘔(おう)吐、足のまひなどの臓器の障害が現れることがあります。発熱、体重減少、大量の寝汗などが起こることもあります。

これらの症状で医療機関を受診すると検査が行われますが、ほかの病気の検査や検診のときに悪性リンパ腫が見つかる場合もあります。たとえば胃の内視鏡検査で胃に、腹部超音波検査で腹部に、胸部エックス線検査で胸に、それぞれ悪性リンパ腫が発見されることもあります。

悪性リンパ腫のタイプ

悪性リンパ腫の種類 非ホジキンリンパ腫とホジキンリンパ腫
悪性リンパ腫の9割以上非ホジキンリンパ腫はさらに細かく分類される

悪性リンパ腫は、がん細胞の形態や性質によって70種類以上に分けられます。主には「非ホジキンリンパ腫」「ホジキンリンパ腫」に分類され、非ホジキンリンパ腫が9割以上、ホジキンリンパ腫が1割未満です。
非ホジキンリンパ腫は、がんになっている細胞の特徴や染色体検査などの結果から、さらに細かく分類されます。主なタイプは多い順に、「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」「ろ胞性リンパ腫」「MALTリンパ腫」です。

悪性リンパ腫の進行

タイプ別の悪性度(非ホジキンリンパ腫)

最も多い、非ホジキンリンパ腫はタイプによって、進行する速さが異なります。
がんが大きくなったり、転移するのが遅く、年単位で進行する「低悪性度」、月単位で進行する「中悪性度」、そして最も進行が速い「高悪性度」に分かれます。ろ胞性リンパ腫、MALTリンパ腫は低悪性度です。最も患者数が多い「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」は中悪性度です。高悪性度の主なものとしては「バーキットリンパ腫」があります。

悪性リンパ腫の治療

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の治療法

治療法は悪性リンパ腫のタイプによって異なり、薬物療法を中心に、放射線療法、造血幹細胞移植などを組み合わせて行われます。悪性リンパ腫の移植治療では、患者さん本人の血液成分を用いる自家移植が多く、他人から提供される同種移植と比べて効果が高いのが特徴です。タイプによっては合併症の治療などのために手術をする場合もあります。

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の治療では、リツキシマブという分子標的薬に従来の抗がん剤を組み合わせたR-CHOP療法と呼ばれる薬物療法が行われています。リツキシマブを使用した療法は抗体療法と呼ばれ、現在ではほかのタイプにもよく用いられます。こうした薬物療法により、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫では患者さんの6~7割程度が治癒します。

ただし、効果が不十分な場合や再発する場合もあります。再発した場合には、ほかの薬を使った治療のほか、65歳以下であれば自家移植が勧められます。自家移植により治癒も十分期待することができます。

悪性リンパ腫 最新治療法

さらに、再発・難治性の「ホジキンリンパ腫」の人に対し、2014年、分子標的薬の「ブレンツキシマブ ベドチン」という注射薬が承認されました。また再発・難治性の「マントル細胞リンパ腫」というタイプの場合の新薬として、2016年、分子標的薬「イブルチニブ」というのみ薬が承認されました。

この記事は以下の番組から作成しています

  • きょうの健康 放送
    シリーズ よく知られていないがん「悪性リンパ腫」
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    増える血液がん「悪性リンパ腫」