詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2018年4月号に詳しく掲載されています。

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心臓を取り巻く冠動脈の奥深くには、微小冠動脈という細い血管が張り巡らされ、心筋(心臓を動かす筋肉)のすみずみにまで酸素や栄養を供給しています。この微小冠動脈が十分に拡張しなかったり異常に収縮したりすると、冠動脈の太い血管は正常でも、血液は心筋に十分に行き渡らず、胸痛などが起こることがあります。これを微小血管狭心症といいます。微小冠動脈の異常には、女性の場合、女性ホルモンの不足が関係しているとも考えられています。
微小血管狭心症が起こる詳しい原因はわかっていませんが、更年期を迎えて、女性ホルモンが低下することが原因の1つといわれています。女性ホルモンには、血管を広げる働きがあるので、女性ホルモンの低下によって血管が収縮するためと考えられています。また、Rho(ロー)キナーゼと呼ばれる酵素の活性が高まることも原因の1つだと考えられています。
微小血管狭心症はまだよく知られていません。
そのため、胸痛などの狭心症の自覚症状があっても正しく診断されず原因不明のまま長年悩んでいる人もいます。こうした場合には専門の医療機関で詳しい検査を受けることがすすめられます。
微小血管狭心症には次のような特徴があります。
動脈硬化が原因の狭心症の場合、冠動脈の造影検査を行うと太い血管に狭くなった部分がよく見つかります。しかし、微小血管冠動脈ではそうしたことはありません。また、狭心症には冠動脈の太い部分が一時的に異常に収縮して起こるものがあり、冠れん縮性狭心症といいます。
冠れん縮性狭心症の場合、薬剤を使って狭心症を誘発させながら造影検査を行うと、太い血管が異常に収縮します。微小血管冠動脈の場合も薬剤で発作を誘発させて造影検査を行います。そのとき、太い血管には収縮が見られないにもかかわらず、心電図の変化などで心筋の血流不足が発見されたり、患者さんに胸痛などが現れたりした場合に、微小血管狭心症と診断します。
動脈硬化による狭心症の治療として、ステントと呼ばれる網目状の医療器具を使って行う治療法があります(カテーテル治療)。ステント治療を受けたのに、胸痛などの症状が治らない場合は、微小血管狭心症や冠れん縮性狭心症を合併している可能性があります。そのため、思いあたる時は詳しい検査を受けるようにしてください。
詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2018年4月号に詳しく掲載されています。