夜間から早朝に発作が起きる「冠れん縮性狭心症」心臓の血管が異常に収縮

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冠れん縮性狭心症とは?

冠れん縮による狭心症

心臓を動かす心筋に酸素や栄養を送る血管を冠動脈といいます。冠動脈が一時的に異常に収縮して起こる狭心症を、冠れん縮性狭心症といいます。
狭心症では冠動脈の血管壁にコレステロールなどがたまって血管が狭くなって起こる動脈硬化性がよく知られていますが、冠れん縮性はこれとは異なります。

冠れん縮性は意外に多い!

狭心症 原因別の患者数

日本人の場合、狭心症のうち40%~60%は冠れん縮性ではないかとも言われています。
また、狭心症の原因を年代別に調べた研究では、狭心症の発症が増える70~80歳代では動脈硬化性が多いのですが、40~50代の若い世代では冠れん縮性狭心症のほうが多くなっています。

夜間から早朝に起こりやすい

冠れん縮による狭心症

冠れん縮性狭心症は夜間から早朝の安静時によく起こります。動脈硬化性狭心症が運動時に起こりやすいのと対照的です。冠れん縮性狭心症が運動時に起こることもありますが、その場合は午前中に多くなっています。症状が繰り返されることも特徴です。発作が起こった場合に 胸痛などが5分程度で悪くなったり良くなったりを繰り返すことが多いのです。

冠れん縮性狭心症の危険因子には、喫煙、心身のストレス、緊張や不安による過呼吸、大量飲酒があります。このうち喫煙は最大の危険因子です。飲酒の場合、アルコールがさめかけた翌朝に冠れん縮性狭心症がよく起こります。動脈硬化性の狭心症は飲酒の最中に起こることが特徴です。

ステント治療後にも冠れん縮

薬剤溶出性ステント

動脈硬化性狭心症では、冠動脈の狭くなった部分をステントと呼ばれる網目状の医療器具で広げる治療が行われることがあります。このとき、血管が再び狭くならないようにステントから薬が溶け出す方式の薬剤溶出性ステントがよく使われます。薬剤溶出性ステントの場合、薬の影響によって、ステントの両端の部分に冠れん縮が起こりやすいことも知られています。

薬で誘発して診断

薬で誘発して診断

動脈硬化性狭心症の場合、冠動脈の造影検査を行うと動脈硬化で狭くなった部分がよく見つかります。しかし冠れん縮性狭心症の場合、通常の造影検査をしても狭い部分は見つかりません。そこで冠れん縮を誘発させる特定の薬剤を冠動脈に注入しながら造影検査を行います。このとき冠動脈の収縮が見られれば、冠れん縮性狭心症と診断します。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2018年4月号に詳しく掲載されています。

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