薬が引き起こす腎障害

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薬で腎臓が障害されることがある

薬による腎障害

薬の多くは腎臓から排せつされます。そのため薬が原因で腎臓に障害が起こることがあります。腎臓の細胞に障害を起こす薬の濃度が高まった場合、また薬剤のアレルギー反応による場合、薬の作用によって腎臓へ流れる血流が減少したり、血液中の電解質異常が起こり腎臓に障害を来す場合、尿路に薬が詰まる場合などです。これによって慢性腎臓病が発症または悪化することもあります。高齢者は薬の使用が増え しかも薬の排せつが低下するため、特に注意が必要です。

鎮痛薬でよく起こる

NSAIDsによる腎障害

腎障害の報告が最も多い薬は非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)です。さまざまな痛みに対する鎮痛薬として非常に多くの人に使われていることが背景にあります。処方薬にも市販薬にも非ステロイド系抗炎症薬があります。

この薬は鎮痛や解熱のために炎症物質を抑えますが、血管を収縮させる作用もあるため、腎臓に流れこむ血流が減少し腎臓の働きが低下することがあります。その場合、尿の減少、むくみ、食欲低下、だるさなどが表れることがあります。自覚症状がないまま腎臓の働きが低下することもあります。

NSAIDsによる腎障害

こうした障害を防ぐため、非ステロイド系抗炎症薬を必要以上に多く使ったり、痛みが治まっても使い続けたりしないようにしましょう。また、体内の水分が減れば腎臓への血流も減るので、水分の十分な補給に心がけましょう。発熱、下痢、おう吐、多量の汗などで水分は大きく失われます。さらに、慢性腎臓病と診断されている人は、血液検査のクレアチニン値で腎臓の働きが低下していないか常にチェックしましょう。
腎障害が実際に起こったら、医師は原因の薬をつきとめて中止します。点滴をして腎臓の血流を保持することもあります。早期に対処すれば、多くの場合 数日で回復します。

抗がん剤、抗菌薬、造影剤、降圧薬にも注意

腎障害は抗がん剤、抗菌薬、造影剤でも起こりやすいため、医師はこれらの薬も慎重に使います。高血圧の薬の一部でも血流が減少することがあります。尿の減少、むくみなどの症状に注意し、腎臓の働きを定期的に検査しながら服用しましょう。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2018年2月号に詳しく掲載されています。

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