大腸がんの手術について(分類や入院期間、治療費、治癒率など)

更新日

結腸と直腸の2つに分けられる大腸

結腸と直腸の2つに分けられる大腸

大腸がんの手術は、がんができた場所によって切除する場所が異なります。大腸は、1.5~2mほどある1本の長い臓器で、大きく結腸と直腸の2つに分けられています。

結腸は、小腸から流れてきたものから水分を吸収して便を作る役割をしていて、直腸は肛門に向かって真っすぐに伸びている部分で、便をためておく役割があります。結腸にがんができた場合は「結腸がん」、直腸にできた場合は「直腸がん」と呼ばれ、がんの割合は、結腸がんが約6割で、直腸がんが約4割といわれています。

がんができた部位によって切除の仕方は異なる

がんができた部位によって切除の仕方は異なる

結腸がんの場合、基本的にがんができた場所から10cm離れた場所を周辺のリンパ節もあわせて切除します。直腸がんの場合は、基本的に肛門に向かって2~3cm、反対側(結腸側)を10cm切除します。どちらのがんも、開腹手術か腹腔鏡(ふくくうきょう)手術のいずれかで行われます。

開腹手術と腹腔鏡手術の比較

開腹手術と腹腔鏡手術の比較

大腸がんの手術には、腹部を切開してがんを切除する開腹手術と、腹部に数か所の穴をあけてカメラの付いた腹腔鏡と手術器具を入れて手術する腹腔鏡手術があります。日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)が行った腹腔鏡手術と開腹手術での比較試験の結果では、腸閉塞、縫合不全合併などの合併症ではほとんど差はありませんでした。

一方で、手術中に他の臓器を傷つけてしまう術中臓器損傷は開腹手術1.7%に対して、腹腔鏡手術3.8%と2倍多かったのです。平均手術時間は腹腔鏡手術で約1時間長く、開腹手術で160分、腹腔鏡手術では211分でした。平均入院期間では開腹手術が11日、腹腔鏡手術は10日でした。

開腹手術では、患部を直接目で確認することができるため、がんの取り残しを防いだり、出血があった場合に素早く対応できます。従来から行われている標準治療なので、手術の技術が安定しており、医療機関の間での治癒率の差が少ないことが確認されています。また、費用も腹腔鏡手術に比べて安く済みます。

腹腔鏡手術

主流の腹腔鏡手術

腹腔鏡手術は傷が小さくて済み、手術後の痛みが少ないのが特徴です。ただし、手術するときの視野が限られるため、大腸や周囲の臓器を傷つける可能性が開腹手術に比べて高くなります。また、高度進行がんや肥満がある場合などでは、腹腔鏡手術が難しいことがあります。

現在、主流となっている腹腔鏡手術は、腹部の数か所から内視鏡や手術器具を入れ、モニターを見ながら行う手術法で、高い技術を必要とするため、医療機関によって腹腔鏡手術の技術や術後の治癒率に差があるのが現状です。医師と十分相談のうえ手術の方法を決めることが大切です。

ロボット支援手術

ロボット支援手術

最近では、一部の医療機関でロボット支援手術が行われるようになってきました。手術をする医師はモニターに映し出される高解像度・高倍率の3D映像を見ながら、遠隔操作で手術を行います。手術器具は自在に曲がり、手ぶれを防ぐ機能を備えているので、精密な動きを再現することができます。2018年4月から、直腸がんのロボット支援手術が健康保険で行えるようになりました。

大腸がんのQ&A