味がわからない。味覚障害の症状や原因・検査・治療法を徹底解説!

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味がわからないなどの症状がある味覚障害とは

味覚障害とは

味覚障害は、味がわからない、味が薄く感じるなど、味覚の低下や異常によって生活に支障が出る状態です。味覚障害が起きると、食欲がなくなって栄養不足になったり、味付けが濃くなって塩分や糖分をとりすぎたり、健康に影響が及ぶこともあります。

味覚障害は、味を感じる仕組みが何らかの原因でうまく働かなくなることで起こります。私たちが食物を食べると味を感じるのは、舌の表面の乳頭という細かいブツブツの中の、「味蕾(みらい)」というセンサーが働くためです。「味蕾」の中には、味を感じる細胞、味細胞があって、甘さや塩辛さなどの味を感知しています。感知した味は味覚神経を介して、脳の中枢に伝えられます。これに加え、嗅覚でとらえられた香りなどの情報も脳に伝えられます。さらに、食べ物の硬さなどの触覚、噛んだ時の音は聴覚、見た目は視覚でとらえられます。こうしたすべての情報が、脳の前頭葉で統合され、私たちはおいしさを感じるのです。

味覚障害の原因

味覚障害の患者

味覚障害の主な原因は、「加齢」、味を感じる細胞の再生を促す「亜鉛」の不足、口腔内が乾燥する「口腔疾患」、鼻づまりやアレルギー性鼻炎などによる「風味障害」、糖尿病や腎臓・消化器などのさまざまな病気の「合併症」、「薬の副作用」、ストレスによる「心因性」などです。
味覚障害になると、食の楽しみが減るばかりでなく、食欲不振から栄養不足になったり、味付けが濃くなって塩分や糖分をとりすぎたりと、栄養障害の危険性も高くなるため、早めに受診し、対処することが大切です。

味覚障害の診断

味覚障害の診断

味覚障害の診療は、耳鼻咽喉科が専門です。全国の大学病院では、味覚障害を専門的に診てもらえます。また歯科や内科の医師が診療を行っていることもあるので、最寄りの医療機関で、味覚障害に対応してもらえるか調べてから受診するのがよいでしょう。

味覚障害かどうかは、問診、視診、血液検査や尿検査、味覚検査によって診断されます。問診では、自覚症状や症状が続いている期間、味覚障害を起こす可能性のある病気の有無、薬をのんでいるかなどを確認します。血液検査では、肝臓や腎臓の機能や、亜鉛欠乏があるかなどを調べます。

味覚障害をチェックする検査法
「電気味覚検査」「ろ紙ディスク法」

味覚障害 検査

「電気味覚検査」では舌の神経の働きをみます。舌に電極をあて、電流の強さを変えて、かすかな電気刺激で味覚を調べます。「ろ紙ディスク法」では、「甘味、塩味、酸味、苦味」の4つの基本の味がついた溶液を、ろ紙にしみこませて舌の上にのせていきます。それぞれの味には5段階の濃度があり、どの濃度で味を正しく感じられるかを調べます。

味覚障害の治療

味覚障害の治療

味がわからない、味が薄く感じるなど「味覚障害」の治療の基本は、まず亜鉛を十分とることです。食事で十分にとれないときは、サプリメントや亜鉛製剤という薬が処方されることもあります。不足している亜鉛を補うことで、味を感じる細胞の再生を促し、味を感じやすくします。心因性の場合は、抗うつ薬や抗不安薬を使うなど、心の治療を行うことで味覚障害が改善します。

薬の副作用で味覚障害が起こっている場合には、担当の医師と相談しながら、服用中の薬を見直し、場合によっては薬を中止することもあります。

味覚障害の治療・予防に必要な「亜鉛」を多く含む食品

亜鉛を多く含む主な食品

亜鉛を多く含む食品を積極的にとりましょう。「牛肉やレバー」、「チーズなどの乳製品」、「牡蠣やカニ、いわしなどの魚介類」、「しいたけ」、「ワカメやひじき、もずくなどの海藻」に亜鉛が多く含まれています。

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詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2017年12月号に詳しく掲載されています。

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