【腹圧性尿失禁・切迫性尿失禁】女性の尿漏れ対策と治療法

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女性の病気・トラブル腹圧性尿失禁過活動膀胱(ぼうこう)排尿がおかしい泌尿器

腹圧性尿失禁の対策

腹圧性尿失禁の対策

腹圧性尿失禁は、何かのきっかけでおなかに力が入ったときに起こる尿漏れです。尿道を支える骨盤底筋が、妊娠や出産、肥満などによって緩むことで尿が漏れやすくなり、尿意がなくても起こります。「せきやくしゃみをする」「笑う」「スポーツをする」「重い荷物を持ち上げる」などの際に起こりやすく、症状が進むと、「立ち上がる」「歩き始める」などでも尿がもれる場合があります。
腹圧性尿失禁の治療では、まず行動療法骨盤底筋訓練を行います。尿道と肛門の周りの骨盤底筋はつながっているため、肛門を締めると尿道周りの筋肉も鍛えられます。呼吸を止めずに、肛門を10秒間ほど引き締める動作を10回連続で行うのを1セットとし、1日3~8セット行いましょう。おならを我慢するように力を入れ、肛門を体の中心に引き上げるようにするのがコツです。この訓練を行った人の多くが、3か月程度で効果を実感していますが、訓練を続けても改善しない場合には、薬物療法手術療法が検討されます。

切迫性尿失禁の対策

切迫性尿失禁の対策

切迫性尿失禁は、「トイレに行く途中で漏れる」「下着を下ろす間に漏れる」など、急に尿意を感じて排尿を我慢できずに起こる尿漏れを指します。切迫性尿失禁の多くは、膀胱[ぼうこう]と脳の間の伝達がうまくいかずに、膀胱が勝手に収縮してしまう過活動膀胱が原因です。脳梗塞などの脳神経障害で起こる場合もありますが、加齢によるものや、原因が明らかでないものも多く見られます。
過活動膀胱の治療は、生活指導膀胱訓練といった行動療法から始め、効果を見ながら薬物療法を追加します。生活指導では、水分のとり過ぎや、肥満・便秘といった、日常生活の中でリスクとなる要素を排除します。なかには、体重を減量するだけで尿漏れが改善したケースもあります。また、過活動膀胱ではほとんどの場合、尿意を感じても膀胱に尿はそれほどたまっていないため、尿意を感じても我慢する訓練を行って、少しずつ排尿間隔を広げていきます。排尿に関する問題点や改善点を明らかにするには、1回の排尿量、尿漏れの状況など排尿に関する項目を記録する「排尿日誌」も効果的です。

この記事は以下の番組から作成しています

  • きょうの健康 放送
    女性の尿漏れ対策