腹圧性尿失禁の対策

腹圧性尿失禁は、何かのきっかけでおなかに力が入ったときに起こる尿漏れです。尿道を支える骨盤底筋が、妊娠や出産、肥満などによって緩むことで尿が漏れやすくなり、尿意がなくても起こります。「せきやくしゃみをする」「笑う」「スポーツをする」「重い荷物を持ち上げる」などの際に起こりやすく、症状が進むと、「立ち上がる」「歩き始める」などでも尿がもれる場合があります。
腹圧性尿失禁の治療では、まず行動療法で骨盤底筋訓練を行います。尿道と肛門の周りの骨盤底筋はつながっているため、肛門を締めると尿道周りの筋肉も鍛えられます。呼吸を止めずに、肛門を10秒間ほど引き締める動作を10回連続で行うのを1セットとし、1日3~8セット行いましょう。おならを我慢するように力を入れ、肛門を体の中心に引き上げるようにするのがコツです。この訓練を行った人の多くが、3か月程度で効果を実感していますが、訓練を続けても改善しない場合には、薬物療法や手術療法が検討されます。