狭心症・心筋梗塞とは
狭心症・心筋梗塞の発症時期や症状について
狭心症・心筋梗塞は特に12月から2月ごろに起こりやすく、最も多い1月は7月に比べて1.5倍以上発症が多いと言われています。
狭心症・心筋梗塞で通院されている方は年間約80万人、心筋梗塞による死亡は年間約4万人にものぼります。一般的な症状は胸の痛みであると考えられていますが、必ずしも胸が痛むとは限らず、他の部位に痛みが感じられるケースもあります。
狭心症と心筋梗塞の違い


危険な心臓病のうち、「狭心症」とは、心臓に血液を送っている「冠動脈」の一部に異常が起き、血流が流れにくくなって、心臓の筋肉(心筋)が弱ってしまうものです。さらに、冠動脈に血栓が詰まって血流が途絶え、周囲の心筋が壊死(えし)してしまうのが「心筋梗塞」です。
狭心症の典型的な症状は、締め付けられるような胸の痛みですが、それ以外の場所に痛みが起きる「関連痛(放散痛)」などの症状が現れることもあり、注意が必要です。知っておきたい関連痛について、わかりやすく図にまとめました。
関連痛(放散痛)とは

狭心症は、心臓から離れた場所に症状が起こることが少なくありません。「関連痛」といって、奥歯やのど、肩、腕、みぞおち、背中などに痛みを感じたり、人によっては肩こりや胸焼けとして感じたりします。狭心症の関連痛は、主に体の上半身に症状が起こり、体の左側に多いのが特徴です。


関連痛は神経の"勘違い"によって起こると考えられています。通常、狭心症が起こると、心臓から感覚神経、せきずい、脳へと刺激(電気信号)が伝わって、「胸が痛い!」と感じます。心臓からせきずいに感覚神経がつながっているように、奥歯や肩、腕、胃など、上半身の各部からも感覚神経がせきずいにつながっています。
実は、これらの感覚神経はおおむね同じ束になってせきずいにつながっています。


そのため、狭心症が起こって、心臓から刺激がせきずいに伝わるときに、奥歯や腕などからつながっている別の神経にも刺激がうつってしまうことがあります。その結果、「歯が痛い」「腕が痛い」などと感じます。