禁煙とウォーキングが効果的!COPDの検査とさまざまな治療法とは

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運動の健康効果 セルフケア・対処 COPD(慢性閉塞性肺疾患) 熱がある せきがでる 体がだるい 呼吸器 のど

スパイロメーターによる検査

スパイロメーター

COPDかどうかを調べる場合は、主にスパイロメーターという器械を使う肺機能検査が行われます。
スパイロメーターに息を吹き込むと一秒率が測れます。一秒率とは、大きく息を吸って吐いたときに、最初の1秒間で吸った空気の何%を吐き出せたかを示すものです。COPDの人は、息を速く吐き出しにくいため一秒率が低く出ます。検査の結果、一秒率が70%未満の場合は、COPDの可能性があります。

スパイロメーターによる検査は、総合病院の呼吸器科など、専門の医療機関で受けることができます。COPDは徐々に進行する病気なので、たばこを吸う人は早期に発見するためにも、5年に1回程度スパイロメーターによる検査を受けるとよいでしょう。

COPDの治療はまず禁煙!

COPDの治療。まずは禁煙

COPDの治療の基本は禁煙です。喫煙をやめることで、せきやたん、息切れなどの症状が軽くなるだけでなく、肺機能の低下もゆるやかになります。

肺機能は、非喫煙者が20歳以降ゆっくり低下していくのに対し、喫煙を続けている人は急速に低下していきます。そのため、COPDになると、平地を歩いても息切れが起こる、さらには、安静にしていても呼吸が苦しくなるといった症状が起こりやすくなります。禁煙を始めると、その時点から肺機能の低下が、非喫煙者と同じようにゆるやかになってきます。

どうしても禁煙ができない人は、禁煙外来を受診することがすすめられます。

COPDのさまざまな治療法

COPDの治療、禁煙以外の方法

COPDの治療には、禁煙以外にもさまざまな方法があります。呼吸リハビリテーションでは、息切れを起こしにくい呼吸法生活動作のしかたを学びます。吸入気管支拡張薬吸入ステロイド薬は息切れを軽減し、活動量を保つためにも重要です。

COPDの人は、インフルエンザや肺炎にかかると肺機能が一気に低下する危険性があるので、インフルエンザや肺炎球菌の予防接種を受けることも大事です。

COPDが進行して肺に十分な酸素を取り込めなくなったときは、高濃度の酸素を発生させる器械を使って、酸素を吸入して呼吸を助ける在宅酸素療法が行われます。症状によっては、携帯用の酸素ボンベを使って外出したり、国内旅行をしたりすることも可能です。

日常的に体を動かすことがCOPDの人の寿命を伸ばす

日常的に体を動かしている人ほど長生きなことを表すグラフ

COPDの治療では、息切れなどの症状を軽減させることや、肺がんや心筋梗塞など命に関わるような合併症を防ぐことが大きな目的となります。そのためには、まず禁煙、加えて有効なのが、薬、呼吸を楽にするための呼吸法などです。最近では、日常的に体を動かすことも有効であると考えられています。運動能力を維持、あるいは向上させることによって、体を楽に動かせるようにし、その結果息切れを軽減させることができます。

また、体力を維持することによって、さまざまな合併症を防ぐことにつながります。実際に、COPDの患者さん170人を対象にして身体活動量を4年間以上観察し、生存率との関係を調べた研究があります。この研究によると、日常生活で立ったり歩いたりすることが多く、運動習慣もある身体活動レベルの高い人たちの4年間での生存率は100%でした。一方、座っていることがほとんどであまり動かない、身体活動レベルが低い人たちの生存率は70%を下回っていました。この研究結果から、日常生活のなかで積極的に体を動かすことが、COPDの進行を防ぐために重要であると考えられます。

医師に処方された気管支拡張薬などで息切れを十分に抑えながら、毎日の生活のなかで家事や仕事、趣味、習い事、友達づきあいなどを通して、無理なく活動量を増やしていきましょう。

ウォーキングのコツ

【歩数記録の例】

COPDの進行を防ぐのに効果的なウォーキング、歩数記録の例

COPDの進行を防ぐのに効果的なウォーキング、歩数記録の例

手軽に活動量を増やすことができ、COPDの進行を防ぐのに効果的なのがウォーキングです。歩くことによって、全身の筋力を維持し、体力低下を防ぐことができます。また、COPDに合併して起こりやすい骨粗しょう症などを予防することにつながります。

ウォーキングの効果を高めるためには、歩数計を朝起きてから夜寝るまで装着し、1日の歩数をノートに記録するとよいでしょう。記録することで、習慣化しやすくなります。ただし、がんばりすぎたり、目標を高く設定したりすると長続きしないため、無理をしないことが大切です。

そのためにはコツがあります。まず歩数記録を始めてから数週間は、歩くことを意識せず、ふだんどおりに日常生活を過ごします。そして、1日あたりの平均歩数を計算し、その歩数を1日の目安とするようにしましょう。体調不良などにより歩数が少なかった日は、その理由をメモしておくようにします。無理のない歩数を目標とすることで、日常的な活動量を自然に保っていくことができます。

【患者体験談】「重症のCOPDでも治療はできる!」

COPDのQ&A

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詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2018年12月号に詳しく掲載されています。

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