タイプ別 女性の尿もれ

女性の尿もれは主に2つのタイプに分かれます。せきやくしゃみなど、おなかに力がかかった時に起きるものを「腹圧性尿失禁」、急な尿意を感じてトイレに駆け込むようなものを「切迫性尿失禁」と呼びます。

尿もれに悩む女性のおよそ8割が「腹圧性尿失禁」およそ5割が「切迫性尿失禁」とされ、それらを併発する「混合性尿失禁」も3割程度みられます。原因も異なり、腹圧性尿失禁では骨盤底筋という筋肉のゆるみが、切迫性尿失禁では「脳とぼうこう」の連携がうまくいかないことが原因で起こります。
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女性の尿もれは主に2つのタイプに分かれます。せきやくしゃみなど、おなかに力がかかった時に起きるものを「腹圧性尿失禁」、急な尿意を感じてトイレに駆け込むようなものを「切迫性尿失禁」と呼びます。
尿もれに悩む女性のおよそ8割が「腹圧性尿失禁」およそ5割が「切迫性尿失禁」とされ、それらを併発する「混合性尿失禁」も3割程度みられます。原因も異なり、腹圧性尿失禁では骨盤底筋という筋肉のゆるみが、切迫性尿失禁では「脳とぼうこう」の連携がうまくいかないことが原因で起こります。
腹圧性尿失禁の原因となるのは、骨盤底筋の緩みです。骨盤底筋は、ぼうこうや子宮などの臓器を下側からハンモックのように支えている筋肉ですが、これが妊娠・出産などで緩むと腹圧性尿失禁の症状が現れます。また加齢や肥満もリスク要因となります。
腹圧性尿失禁の主な治療は骨盤底筋訓練という筋トレです。どこでもどんな姿勢でも行えます。番組で紹介したのは座って行う場合です。まず足を肩幅に開き、おしりやおなかの力を抜いて、骨盤底筋を背中側からおなか側にぐっと引き寄せます。排尿の途中で尿を止める際の力の入れ方と一緒です。
これができたら、①力を入れて5秒間キープ②急な尿もれを防げるようにぎゅっと短く3回力を入れる という動きを組み合わせます。①と②の組み合わせで1回と数え、10回で1セット、1日に3セットから5セットを目標に行ってください。場所も選びませんので、工夫して生活に取り入れて下さい。
訓練を行っても改善しない場合は、手術療法という選択肢もあります。
切迫性尿失禁の原因となるのは、過活動ぼうこうです。正常の場合、ぼうこうに尿がたまると、それを脳に伝えて排尿を開始するのですが、この連携がうまくいかないと、ぼうこうが勝手に収縮して排尿してしまう、このような状態を過活動ぼうこうと呼びます。
過活動ぼうこうの治療は、行動療法と薬物療法です。行動療法は、さらに生活上の注意とぼうこう訓練に分かれます。生活上の注意としては、水分を取り過ぎないことが重要です。ぼうこう訓練は、ぼうこうにためる尿量を増やす訓練です。過剰な収縮が原因であるため、これを抑えることで症状の改善を目指します。日本人女性のぼうこうの容量はおよそ400mLとされるため、1回の尿量が150mLを下回るような少量の場合は、もっとためられるはずです。
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