知っておきたい胆のうの病気 胆のうポリープ・胆石の治療

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胆石症腹痛背中が痛い胆のう・胆管

胆石とは?

胆石とは?

胆石は、胆汁の中のコレステロールなどが胆のうの中で凝固して出来るものです。胆石を持っている人の6割~8割は無症状ですが、胆のうの入口付近を胆石が塞いだりすると腹痛、背部痛、吐き気などの症状が現れます。悪化すると「胆のう炎」になることもあり、治療が必要になります。胆石になりやすいのは、「肥満気味」「脂っこい食事が好き」「50歳以上」と考えられています。

胆石治療のチョイス1 腹腔鏡下[ふくくうきょうか]胆のう摘出術

胆石治療のチョイス1 腹腔鏡下[ふくくうきょうか]胆のう摘出術

腹腔鏡というカメラを使い、体に開けた小さな穴から胆のうそのものを切除する手術で、開腹手術に比べて体の負担が少ないのが特長です。現在、胆石治療の8割がこの腹腔鏡で行われています。胆のうがんの疑いがある場合や、過去に内臓の手術を受けて癒着[ゆちゃく]の疑いがあるなど、腹腔鏡手術を受けられない場合などは開腹手術となります。

胆石治療のチョイス2

衝撃波で胆石を砕く「体外衝撃波結石破砕療法[たいがいしょうげきはけっせきはさいりょうほう]」や、薬で胆石を溶かす「胆石溶解療法」などの治療法がありますが、胆のうが正常に機能していて、小さなコレステロールポリープのみと条件が限られます。再発の可能性もあります。

胆のうポリープ 治療のチョイス

胆のうポリープは、がんやがんに変わる可能性のある悪性の場合には胆のう全体を切除します。
ポリープが大きくなるにつれて悪性の可能性が高くなるため、現在のガイドラインでは大きさ10ミリ以上で腺腫[せんしゅ]性ポリープと呼ばれるものは摘出が推奨されています。10ミリ未満のポリープは経過観察を前提に、とらないチョイスをします。経過観察を続けて大きくなるものはがんになる可能性が高いとみなして、大きくなったときにとるチョイスをします。
胆のうポリープには、がんにならないと考えられている「コレステロールポリープ」や「過形成性[かけいせいせい]ポリープ」もあります。このようなポリープは治療の対象にはなりません。

すい・胆管合流異常とは

すい液が流れるすい管と、胆汁が流れる胆管の合流部分が、先天的に通常の形状と違うケースです。このすい胆管合流異常の人は、およそ5割という高い確率で将来的に胆のうがんになる可能性があるため、発見された場合には胆のう摘出手術が推奨されます。

この記事は以下の番組から作成しています

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