慢性痛への対応

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慢性痛とは?

慢性痛とは?

痛みには2種類あります。
急性痛と呼ばれる、けがや病気が原因で一時的に生じる痛みは、原因から身体を守る反応の一つです。痛みに気づくことで、治療のきっかけとなり、原因になっているけがや病気が解消すれば、痛みもなくなります。もう一つの慢性痛は、急性痛の治療をした後も3か月~6か月以上もの間、痛みが続き、日常生活に支障を来すこともあります。

慢性痛とは?

慢性痛に悩んでいる人は多く、ひざの慢性痛で820万人以上、腰の慢性痛で1020万人以上の人が悩んでいると言われています。

不安が痛みを長引かせる

不安が痛みを長引かせる

私たちは、痛みを脳と心で受け取ります。けがや何らかの原因で痛みが起きたとき、多くの人は不安恐怖を感じます。「痛みが続いたらどうしよう」などと、不安感が長く続くと脳が過敏になり、けがが治っても痛みが取れなくなります。さらに、原因さえ分からないのに、なぜか、痛いと感じるようになってしまうことさえあります。

不安が痛みを長引かせる

また、社会的な原因が慢性痛につながることもあります。職場や家庭などの人間関係によるストレスや、特殊な姿勢で長時間作業を続けると言った仕事内容が原因で痛みが続くこともあるのです。

慢性痛の治療法

慢性痛の治療法

慢性痛の治療の柱は、運動療法認知行動療法薬物療法の3つです。
最も効果的で手軽なのが、ウォーキングストレッチ筋トレなどの運動療法です。筋肉を鍛えたり、関節を動かしやすくすることは、長引く痛みを改善します。
次に、認知行動療法があります。慢性痛は脳が作り出すことが多いため、物事のとらえ方や考え方のパターンを変えて痛みに打ち勝つことを目的に行われます。具体的には、慢性痛が起こる仕組みや運動の重要性を学んだり、痛みが起こるときの状況や気持ちを日記に書くなどの方法が行われています。
薬は、痛みが強い場合に使います。ただし、薬がすべての痛みに効くわけではなく、長期に使うと副作用の心配もあるため、運動療法などの補助として考え、上手に使うことが大切です。

痛みの悪循環と運動療法の効果

痛みの悪循環と運動療法の効果

痛みに伴う不安や恐怖が強いと、引きこもりがちになり、不眠にもつながります。このような生活が続くと筋力や体力が衰え、気分も暗くなり、うつ症状が起こることもあります。すると、痛みをさらに強く感じるようになります。

痛みの悪循環と運動療法の効果

こうした悪循環を断ち切るには、運動が大切です。まず慢性痛に対する正しい知識を得て、不安を解消し、同時に少しずつ運動を始めると、筋力や体力が増して、今までよりも体を動かしやすくなります。すると少しずつ痛みが軽くなり、最終的には気にならなくなり、本来の日常生活を取り戻していくことができるのです。

脳内モルヒネ・エンドルフィンとは?

脳内モルヒネ・エンドルフィンとは?

最近の研究では、運動には痛みを直接和らげる、エンドルフィンというホルモンを分泌する効果があることも分かってきました。
エンドルフィンは、脳内モルヒネとも呼ばれ、モルヒネ同様の鎮痛作用があるにも関わらず、自分自身の脳内から分泌されるホルモンなので副作用の心配はありません。

慢性痛の改善にとって大切なこと

慢性痛の改善にとって大切なこと

痛みが長く続くと「痛みがあるから何もできない」という考え方になってしまう人が多くいます。
しかし、考え方を前向きにすることも大切です。「痛みはあったけれど、今日はこれができた」と考え、小さな成功体験を積み重ねていくと、自信がついて行動範囲を広げることができます。自分のしたいことや楽しいことを想像しながら、運動に取り組むようにするとよいでしょう。

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