食中毒を引き起こす細菌

食中毒は見えない細菌との戦いです。特に夏の温度や湿度は、食中毒を引き起こす細菌たちが増えやすい環境なので、日頃から食材の扱いに注意が必要です。食中毒は、通常、10万~100万個の細菌が体に入ることで起こりますが、細菌の中には、少ない細菌数でも食中毒を起こすものもあります。その1つが「カンピロバクター」です。カンピロバクターは細菌による食中毒で発生件数が一番多く、肉類、特に鶏肉から感染します。症状としては主に発熱、腹痛、下痢ですが、「ギラン・バレー症候群」という手足の麻痺[まひ]や、呼吸困難を引き起こす恐ろしい病気を発症させることもあります。

カンピロバクター以外にも食中毒を引き起こす細菌には、様々な種類があります。主に卵や鶏肉から感染する「サルモネラ」。私たちの手に隠れている「黄色ぶどう球菌」は十分に手を洗わなかったり、切り傷のある手で握ったおにぎりなどから感染することがあります。熱に強い「ウェルシュ菌」。主に生肉から感染する「病原性大腸菌」。この細菌はO157で有名です。そして、魚介類についている「腸炎ビブリオ」などがあります。