糖尿病の治療・予防に効果的な運動のコツ

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運動の健康効果糖尿病視力や見え方の異常排尿がおかしいしびれがある腎臓足・脚

習慣的な運動によって体質改善

糖尿病の大半を占める2型糖尿病は、遺伝的要因に加えて過食や運動などの生活習慣によって発症します。運動をせずに家でゴロゴロすることが多い人は、糖尿病になりやすい傾向があります。

運動の効果

運動にはブドウ糖がすぐに消費されたり、血中のブドウ糖の量を調整するインスリンというホルモンが効きやすい体質する効果が期待できます。ほかにも「血圧を下げる」「中性脂肪が減る」「透析療法を受けている患者さんは透析効率が上がる」など、さまざまな利点があります。

効果が期待できる運動

糖尿病の治療や予防で効果が特に期待できるのは、ウォーキングのような有酸素運動と筋力トレーニングです。有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせることによって、治療効果がより高まります。

有酸素運動

ウォーキングなどの有酸素運動は、軽く息がはずむ程度の強度で、50分を週に3回や30分を週に5回など、1週間に150分以上を目標に体力に合わせて運動を行ってください。

より効果的なウォーキングのコツは、ひじを90度に曲げ、こぶしをあごまで上げ腕を大きく振って、早歩きとゆっくり歩きを交互に繰り返すことです。

筋力トレーニング

スクワットなどの筋力トレーニングは、血糖のコントロールに効果があります。週に3回の筋力トレーニングを行うことがすすめられています。

【おすすめの筋トレ スクワット】
呼吸を止めずに、丁寧にゆっくり行います。1セット10回×2?3セットが目標です。

イスの前に足を肩幅程度に開いて、つま先を少し外側に向けて立ちます。

目線は前にして、腕はひじを伸ばし前に出してバランスをとります。

ひざは足先より前にでないように
イスに座る寸前で止める

息を止めないように1?6の数を数えながら、ひざを足先より前に出さないように曲げていきます。
イスに座る寸前で止め、7、8で立ち上がります。立ち上がる時には、ひざを完全に伸ばしきらないことがポイントです。

無理な運動は禁物です。糖尿病の合併症が重い方、心臓病の方やひざや腰を痛めている、インスリンなどを使用している方は特に注意が必要です。運動を行う場合は事前に担当医に相談してください。

糖尿病の予防はこまめに動くこと

エネルギー消費量の割合

私たち人間が消費しているエネルギーの内訳を調べると、大きな割合を占めているのが日常生活でのこまめな動きです。座りがちな生活をしている人は、こまめな動きをしている人に比べ糖尿病の発症リスクがおよそ2倍に高まります。
運動が苦手な人や、運動をしたくても忙しくてできない人などは、日常生活の中でこまめに動くことを心がけましょう。

こまめに動く

こまめに動く工夫(家庭編)
こまめに動く工夫(会社編)

たとえば、家では「掃除」「子どもと遊ぶ」「外に出る」などを心がけ、会社でデスクワーク中心の人は、「階段を使う」「トイレは別の階へ行く」などを習慣にするとよいでしょう。

座った状態から立ち上がると、血圧を保つために自律神経が働きます。同様に、立った状態から座ると自律神経が働きます。「立つ・座る」を繰り返せば自律神経が活性化し、血糖や体重コントロールにも効果が期待できます。こまめに動くことから、糖尿病予防を始めてみてはいかがでしょう。

この記事は以下の番組から作成しています

  • きょうの健康 放送
    糖尿病 これならできる自己管理「運動量を増やす秘策」