軽症のうつ病の治療ではレジリエンスを刺激することも大切

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うつ病と休養

うつ病の治療では休養が必要だということは広く知られていますが、これまでのガイドラインには休養に関する記述がありませんでした。
日本うつ病学会は、2016年に「うつ病治療ガイドライン」を改定し、軽症のうつ病についても内容が新しくなりました。ここで「休養についてどう考えるか」について書き加えられ、軽症のうつ病では「患者さんの状態に応じて休養をとることが望ましい」とされています。
病状によっては漫然と休むのではなく、何かできることに少しずつチャレンジすることや、役割を回復していくことも必要だという考え方です。長く休むと社会復帰が難しい場合もある耐え、無理のない範囲で職場や学校と接点をもつようにします。

レジリエンスとは

漫然と休まず、挑戦することも大切としたガイドラインの改定にある考え方の背景には、うつ病の治療方針が「ストレスを減らすこと」から「レジリエンスを刺激すること」に重きを置くようになったことがあります。
レジリエンスとは、ストレスと相対する言葉で、誰もが持っている「心の自己回復力」のことです。心にはストレスがかかったとき、それを跳ね返す力があります。「よくなりたい」「前向きになりたい」といった気持ちそのものが、それがレジリエンスで、うつ病の治療では、この力を刺激するようにします。

軽症のうつ病治療

軽症のうつ病治療

軽症のうつ病の治療の柱になるのは、「心理教育」と「支持的精神療法」です。
心理教育では、患者さん本人や家族に「うつ病はどんな病気か」「どんな治療が必要か」という情報を与え、うつ病について理解してもらいます。
支持的精神療法では、医師が患者さんのつらい体験や感じ方をよく聞いて受け止め、共感します。そのうえで抱えている問題を一緒に考えて整理していきます。
この「心理療法」と「支持的精神療法」の2つである程度よくなることが多いのですが、さらに、患者さんの希望や症状のケースによって「薬物療法」や「認知行動療法」を併用することもあります。