ピロリ菌の検査
胃がんにならないためには、ピロリ菌検査を受けてピロリ菌に感染しているかどうかを調べることが重要です。胃炎や胃潰瘍などがある人がピロリ菌検査を受ける場合は、健康保険が適用されます。胃の異常を指摘されていない人が、自主的に検査を受ける場合は、ピロリ菌の検査の費用は全額自己負担になります。検査を希望する場合は、消化器内科、内科などの医療機関や人間ドックなどで受けることができるので、事前に問い合わせてください。

これまでに胃潰瘍や十二指腸潰瘍、慢性胃炎と診断された人は、症状がなくてもピロリ菌に感染していることが多いので、検査を受けるようにするとよいでしょう。遅くとも、胃がん検診が勧められている40歳頃には受けたほうがよく、さらに、血縁者のなかに胃がんが起こったことがある人がいる場合も、検査を受けることが勧められます。
また、胃の痛み、特にみぞおちの痛みなどの症状がある人は、すぐにピロリ菌の感染を調べる検査を受けることが勧められます。
検査方法
検査では、まず内視鏡検査で胃の粘膜の状態を観察し、ピロリ感染胃炎の有無を調べます。ピロリ菌の感染が疑われる場合は、次のような検査を組み合わせて診断します。
抗体検査
ピロリ菌に感染していると、ピロリ菌から体を守るために抗体がつくられます。血液や尿を採取して、抗体があるかどうかを調べます。
尿素呼気試験
- 呼気採取バッグに息を吐く。
- 尿素の錠剤をのむ。
- 別の呼気採取バッグに息を吐く。
ピロリ菌が尿素を二酸化炭素とアンモニアに分解する性質を利用して、特殊な炭素入りの尿素剤をのみ、吐き出した息の中の二酸化炭素に、特殊な炭素が入っているかを調べます。

便中抗原検査
便を採取してピロリ菌に由来する抗原が存在しているかどうかを調べます。
迅速ウレアーゼ試験、鏡検(きょうけん)法、培養法
内視鏡で胃の組織を採取してピロリ菌に感染しているかどうか調べます。