前立腺肥大症とは

前立腺肥大症は、前立腺が肥大して排尿障害が起こる病気です。前立腺は男性に特有の臓器で、膀胱[ぼうこう]のすぐ下で尿道を取り囲むように位置しており、精液の一部をつくる働きをしているほか、排尿にも関わっています。
前立腺肥大症の症状は、頻尿や尿意切迫感といった蓄尿症状、尿の勢いが弱い、途中で途切れるなどの排尿症状、残尿感がある、尿の切れが悪いといった排尿後症状の3つに分類されます。50歳を過ぎると急増し、50歳以上の男性の5人に1人が前立腺肥大症であると推定されています。前立腺肥大症かどうかを調べるには、国際前立腺症状スコアを簡略化したチェック表が使われています。

医療機関では、まず問診が行われ、現れている症状とその程度から重症度を判定します。検査には、直腸越しに医師が前立腺に触れてチェックする直腸診、腹部に超音波を当てて前立腺の大きさを調べる超音波検査、排尿時の尿の流れを測定する尿流量検査、排尿後の残尿量を調べる残尿測定、尿の沈殿物を調べる尿沈渣[ちんさ]、前立腺がんの有無を調べるPSA検査などが行われます。