口腔がんの可能性も?原因ごとに異なる口内炎の種類を知ろう

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口内炎とは

口内炎とは

口内炎とは、ほお、歯ぐき、舌、のどの奥など、口の中に起きる炎症の全てを指しますが、その原因はさまざまです。原因を知ることは、治療や予防にも役立ちます。口内炎には、原因によって、主に、以下の4つの種類があります。

口内炎の4つの種類

物理的刺激による口内炎

入れ歯や矯正装置などに口の中が当たって粘膜が傷つき、炎症を起こすものです。食事をしているときに間違えてほおを噛んだり、熱いお茶を飲んでやけどをしたときにできる口内炎もこのタイプです。

カンジダ菌による口内炎

体に住み着いているカンジダ菌という真菌が原因で起こる口内炎です。通常は炎症を起こしませんが、免疫が下がったり、口が乾燥したりすると炎症を起こすことがあります。

アレルギーによる口内炎

歯の詰め物、かぶせものや、入れ歯の金属などのアレルギー反応によって起こります。

一般的にみられる口内炎

ストレスや栄養の偏りが原因ではないか、と考えられていますが、実は原因はよくわかっていません。特に、外からの物理的刺激がなくても起こります。

カンジダ菌による口内炎に注意

口内炎の中でも注意が必要なのが、カンジダ菌によるものです。
カンジダ菌による炎症には、白くなるタイプと赤くなるタイプの2種類あり、2種が混在する場合もあります。特に赤くなる場合は、しゃく熱感やヒリヒリ感などがあり、痛みが出ます。舌に炎症が起き、粘膜の奥の方まで炎症が進行すると、治療後も痛みや味覚障害を起こすことがあります。
広い範囲に炎症が出た場合や2週間以上炎症が続く場合は、カンジダ菌による口内炎の可能性があるので、歯科や口腔外科、耳鼻咽喉科などの医療機関を受診しましょう。口内炎の原因がカンジダかどうかは、患部を綿棒などで拭い、顕微鏡で見るか培養して真菌の増殖を確認して判断されます。
また、口内炎の薬のなかには、ステロイドが入っているものもありますが、カンジダ菌による口内炎にステロイドを処方すると、悪化する危険性があるので使用しません。

なかなか治らない時は、口腔がんの可能性もある!?

口内炎ではなく口腔がんの可能性もある!?

口内炎は、通常であれば2週間ほどで治ります。ただ、なかなか治らない場合は、口腔がんの可能性も考えられます。全てのがんのうち1%くらいが口腔がんと言われており、症例が少ない病気です。
口腔がんと口内炎は全くの別物ですが、口の中にできたがんを口内炎だと思って放置してしまうことがあるので注意が必要です。
口腔がんの特徴は、以下の3つです。

  1. 口内炎のように、自然に治癒することがないこと
  2. 赤い部分と白い部分が混在していること
  3. 硬く、でこぼこしていること

また、舌の裏側や歯ぐきや上あごにできることもあります。なかなか口内炎が治らず、上記の症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

この記事は以下の番組から作成しています

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