正しい保湿でアトピー性皮膚炎を改善!皮膚のバリアを強くする

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アトピー性皮膚炎の症状や生活への影響

人目に悩まされることも多い

アトピー性皮膚炎は強いかゆみに悩まされるだけでなく、肌が真っ赤に荒れてしまうことで人目を気にする方も多くいます。それが原因で、不登校になったり、就職や結婚を諦めてしまったりするなど、人生設計に大きな影響を与えることもあります。
アトピー性皮膚炎は完治させることは難しいのですが、正しい治療とスキンケアを行うことで症状を和らげることができます。

アトピー性皮膚炎の症状

急性アトピー性皮膚炎を発症したおでこの写真

上の写真はアトピー性皮膚炎を発症したおでこを写しています。皮膚が赤くじゅくじゅくしているのがわかります。

慢性の皮膚症状「たいせん化」

慢性の皮膚症状「たいせん化」

こちらは皮膚が厚ぼったくごわごわした状態になっており、ところどころ黒い箇所が見られます。これは「たいせん化」と呼ばれ、アトピー性皮膚炎の慢性的な症状として見られます。

皮膚を守る「皮膚バリア」

健康な皮膚の構造

健康な皮膚の構造
皮膚バリアは刺激から守ったり水分の蒸発を防ぐ

皮膚は細胞が何層も重なって形成されています。
皮膚の表面には、皮脂膜という脂の膜がワックスのように覆っています。その下に角層、顆粒層という組織が並び、この部分がバリアとして非常に重要だと言われています。このような肌の表面組織は皮膚バリアと呼ばれており、約0.02mmと非常に薄いのが特徴です。健康な状態であれば細菌やアレルゲンなどの刺激から肌を守る働きをします。それだけでなく、バリアが皮膚を覆うことで、水分が蒸発していくのを防ぎ、潤いを保つことができます。

アトピー性皮膚炎の場合

アトピー性皮膚炎の肌の状態

アトピー性皮膚炎の方の肌では、角層が乱れてめくれ上がり皮脂も減ってしまっています。さらに、本来表皮の下層に位置する知覚神経が、細胞が壊れたと同時に発せられるシグナルによって、表面の方に伸びていくことがわかっています。

さまざまな刺激により炎症とかゆみが起こる

このように、知覚神経に異常をきたすほか、皮膚バリアを通過した細菌やアレルゲンなどによる刺激によって、炎症と強いかゆみが発生します。

アトピー性皮膚炎の原因

健康な皮膚とアトピー性皮膚炎を発症した皮膚との表面組織の比較

健康な皮膚では、天然保湿成分(NMF)の働きによって水分が保持されています。しかし、天然保湿成分(NMF)が少なくなっていくと、乾燥して角質が痩せ細り、弾力が失われていきます。

健康な皮膚とアトピー性皮膚炎を発症した皮膚との角質細胞の比較

また、角質細胞の隙間を見てみると、健康な角質層の場合、水分が十分に保持されています。これはセラミド(細胞間脂質)と呼ばれる物質の働きによるものです。
アトピー性皮膚炎の皮膚の場合、セラミドが少ないために保持できる水分量が少なく乾燥している状態が続きます。

皮膚バリアを強くするスキンケア

特に重要なのは、洗い方と保湿

アトピー性皮膚炎で特に重要なのは洗い方と保湿

アトピー性皮膚炎の発症には、皮膚バリアの機能低下が関係していると考えられています。角層や皮脂膜から成る皮膚バリアを強くするには、まず正しく洗うこと、そして正しく保湿することが大切です。

皮膚バリアを強める体の洗い方

皮膚バリアは薄いので、体を洗うときにタオルなどで強くこすると壊れてしまいます。せっけんをよく泡立て、泡で包み込むように洗いましょう。こすらなくても、よく泡立てた泡をのせるだけで汚れは落ちます。泡が残らないようにお湯でよく洗い流し、柔らかいタオルで水滴を押さえるように水分を拭き取ります。拭くときもタオルでこすらないようにしましょう。

アトピー性皮膚炎に効果的な保湿

アトピー性皮膚炎に効果的な保湿

入浴直後で皮膚が潤っているときに保湿剤を使って皮膚に「フタ」をすれば、皮膚バリアの代わりに水分の蒸発や外からの刺激を防いでくれます。保湿剤にはワセリン・クリーム・軟こう・ローションがあるので、好みに合うものを使えばよいでしょう。ただし、なるべく刺激の少ないものを選びます。

汗をかくのは悪いことではない

ある研究では、汗をかかないようにしている患者さんより、汗をかくように指導した患者さんの方が、症状が改善したという報告があります。汗には皮膚を潤してバリア機能を高める働きがあるのです。

ただし、汗をずっと残しておくと汗の成分が刺激になってアトピー性皮膚炎を悪化させることもありますので、できるだけシャワーを浴びたり、ぬれタオルで汗を拭き取って保湿するなど、汗に対するケアをすることが大切です。

この記事は以下の番組から作成しています

  • きょうの健康 放送
    しっかり治そう アトピー性皮膚炎「皮膚バリアを強くする」