潰瘍性大腸炎と上手につき合う

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潰瘍性大腸炎とは

潰瘍性大腸炎とは

潰瘍性大腸炎とは、大腸の粘膜に炎症が起こる病気です。炎症が起こって大腸がただれると、激しい下痢が起こり、血便が出るようになります。さらに症状が重症化して、粘膜に潰瘍ができると、強い腹痛発熱が起こるようになります。幅広い年齢に発症しますが、働き盛りの20~40代に発症のピークがあります。免疫の異常のせいで、炎症が起きると考えられていますが、原因はまだはっきりわかっていません。一度発症すると完治が難しく、国の指定難病になっています。

寛解期と活動期

寛解期と活動期

潰瘍性大腸炎は症状が常にあるわけではありません。大腸に炎症が起こって症状が現われる活動期、炎症が治まって症状も落ち着く寛解期を交互に繰り返します。潰瘍性大腸炎は完治が難しい病気ですが、患者さんの約90%が軽症・中等症であり、薬で症状を抑えながらつき合っていける病気です。多くの患者さんが仕事や学業を続けていますし、妊娠や出産も行うことができています。

治療の目的

治療の目的
治療の目的

潰瘍性大腸炎の治療は、活動期の山をできるだけ小さくして、寛解期をできるだけ長く維持することが目的です。

潰瘍性大腸炎の治療1 薬物療法

潰瘍性大腸炎の治療1 薬物療法

潰瘍性大腸炎の治療は薬物療法を中心に行い、まず活動期に使う薬を決めます。最初に腸の炎症を抑える5-アミノサリチル酸製剤を使います。5-アミノサリチル酸製剤は、症状が治まっても寛解期を維持し続けるため、必ず毎日飲み続ける必要があります。大腸の炎症が慢性的に続くと大腸がんになるリスクが高まるので、寛解期をできるだけ長く維持することが大切です。
効果がみられない場合は、一時的にステロイドを追加します。ステロイドは効くけれど、やめるとすぐ活動期になってしまうことをステロイド依存性と言いますが、その場合はステロイドに併用して免疫調節薬を使いながら、ステロイドの減量を試みます。ステロイドの効果がみられない場合は、血球成分除去療法免疫抑制剤抗TNF-α抗体製剤が検討されます。

潰瘍性大腸炎の治療2 血球成分除去療法

潰瘍性大腸炎の治療2 血球成分除去療法

血球成分除去療法では、腕から抜き出した血液を装置に通して、炎症を引き起こす白血球だけを取り除いてから、再び体内へ戻します。一回の治療時間は1時間ほどで、外来通院でも行える治療法です。症状の程度に応じて週に1回から2回治療を行い、最大10回まで実施可能で寛解期に導入します。約6割から7割の人に効果があり、寛解期に導入することができます。通院が必要ですが副作用がほとんどないという利点がある治療法です。

潰瘍性大腸炎の治療3 手術

潰瘍性大腸炎の治療3 手術

中等症から重症の患者さんの中で、薬などの治療で改善が見られない場合は大腸を全て摘出する手術を行うことがあります。手術の利点は、術後多くの方が潰瘍性大腸炎の症状から解放されるということです。大腸がんにかかるリスクもなくなります。一方、欠点は、排便の回数が増えるということです。しかし、小腸が大腸の代わりをするようになるので排便の回数は減っていき、1日10回程度だった排便回数は1年後には5,6回程度に落ち着きます。人によっては少量の便が漏れることがあるので、パッドをあてるなどの対処が必要です。また、肛門とつなげた小腸の部分に炎症が起きる、回腸嚢炎(のうえん)を発症することがあり、注意が必要です。