うつ病とはどんな病気?うつ病の原因、症状とサイン、見分け方を解説

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うつ病の原因には「ストレス」「脳内の変化」「体質」の3つがある

うつ病の原因

うつ病がどうして起こるのか、まだ十分に解明されていませんが、現在わかっている原因として、「心理的なストレス」、「脳内の変化」、「なりやすい体質」の3つがあります。これら3つの原因が重なって、うつ病を引き起こしていると考えられます。

うつ病は心の病と思われがちですが、じつは脳の病気でもあります。心理的なストレスとは、過労や対人関係のトラブル、離婚や死別といった生活上の問題が原因となるストレスですが、そうした心理的なストレスがきっかけとなり、そのストレスで脳の働きのバランスが崩れることで、うつ病が発症すると考えられています。
脳にはたくさんの神経細胞があり、さまざまな情報を伝達していますが、その働きで「感情」が生まれます。最近の研究では、ストレスを受けることで脳の一部の神経細胞の形に変化が生じ、それによって感情や考え方にゆがみが起きるのではないかと指摘されています。

遺伝子がうつ病の原因となる可能性は?

うつ病の発症に遺伝子が関わっているかどうかは、はっきりとしていませんが、親やきょうだいにうつ病になったことがある人がいると発症率が高いことがわかっています。そのため、うつ病になりやすい体質があると考えられています。

うつ病の特徴的な症状

うつ病の特徴的な症状

うつ病では、さまざまな心の不調や体の不調が現れます。体の不調としては、睡眠障害や疲労感・倦怠感、首・肩のこり、頭が重い、頭痛などがあり、心の不調としては、意欲・興味の減退、仕事能力の低下、抑うつ気分、不安・取り越し苦労などが挙げられます。うつ病は、精神科や精神神経科の専門医でも診断が難しい病気です。他の病気のように血液検査や画像検査などで異常を見つけることができないため、詳しい聞き取りを行って診断をつけることになります。

うつ病を診断するときに特に重要なのが、「憂うつな気分」と「何に対しても興味が持てない」という2つの症状です。この2つのうち、どちらかひとつでも、ほとんど一日中、ほとんど毎日、2週間以上続いている場合、うつ病の可能性が高いと考えます。

体の不調は本人も感じやすく、人にも伝えやすいのですが、心の不調は自覚するのが難しいこともあって、受診時に体の症状を訴える人が多いようです。眠れなかったり、食欲がなかったり、息切れしたりといった症状も、うつ病が原因で起こっている場合もあります。

うつ病に似た症状を起こす病気

うつ病に似た症状をおこすもの

憂うつな気分や意欲・興味の低下など、うつ病に似た症状を起こす病気は、うつ病のほかにもいろいろあります。精神疾患としては、「不安症」や「パーソナリティ障害」、「適応障害」などがあります。

また、脳や体の病気で、うつ症状が現れることがあります。最近、うつ病と間違われることが多くなっているのが「認知症」です。うつ病なのか認知症なのかを見分けるには、詳しい問診を行い、場合によっては画像検査も行います。うつ病は認知症に移行しやすいこともわかっているため、高齢者のうつ病の治療は大切です。

脳の血管が詰まって「脳梗塞」になると、脳の働きが悪くなるため、うつ症状がみられることがあります。その場合、症状が急に現れるのが特徴で、言葉が出にくい、物の見え方がおかしいといった脳梗塞独特の症状がないかをチェックする必要があります。また、「甲状腺の病気」などでもうつ病に似た症状が出ることがあります。

病気以外が原因のうつ症状

病気でなくても、アルコールなどの依存性物質やインターフェロン(ウイルス性肝炎の治療薬)などの薬剤が、うつ病に似た症状を起こすことがあります。うつ病かどうかを見分けるには、アルコール依存症になるほどの量の飲酒をしていないか、副作用でうつ症状が出るような薬を服用していないかを確認します。うつ病を疑って受診した場合、問診では服用している薬も忘れずに伝えることが大切です。

うつ病のサインに気づくには

うつ病のサインに気づくには

うつ病は本人が気づきにくい病気です。うつ病に関する知識がないと、症状が現れているのにうつ病に気づかないこともあります。また、重症になると、脳の働きが低下し、病気であることを認識できなくなります。

重症になる前に、医療機関を受診して治療を行うためには、家族や周囲の人が気づくことがとても大切です。ただし、無理に受診を勧めると、本人がよけいに落ち込んでしまう原因になりうるため、サインを正しくとらえて本人に具体的に伝えることが大切です。周りの人が気づきたいうつ病のサインとしては、「口数が少なくなる」「イライラしている」「朝や休日明けに調子が悪い」「遅刻、欠勤が増える」「だるさを訴える」「身辺整理をする」などが考えられます。本人に直接伝えづらい場合には、家族や親しい友人、その人が信頼している人から伝えてもらってもよいでしょう。職場であれば産業医に相談できます。

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