大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)の手術の種類と、それぞれのメリット、デメリット

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大動脈瘤に用いられる手術の種類

大動脈瘤の手術には2つの種類があり、大動脈瘤を切開して人工血管を縫い付ける人工血管置換術と、カテーテルを使ったステントグラフト内挿術があります。

手術を検討するのは、大動脈瘤が破裂する危険性が高い場合です。
紡錘(ぼうすい)状動脈瘤であれば、胸部大動脈瘤で50~60mm以上、腹部大動脈瘤で50mm以上の場合や、50mmほどの大動脈瘤が半年の間で5mm以上拡大した場合に手術を検討します。一方、嚢(のう)状動脈瘤は、小さくても破裂する危険性があるため、50mm未満でも手術が行われる場合があります。

人工血管置換術

大動脈瘤の手術

人工血管置換術は、大動脈瘤ができている部分をそのまま人工血管に置き換える手術です。胸やおなかを切開し、瘤がある両端の大動脈の血流をせき止めて大動脈瘤を切り開き、人工血管を縫い付けます。

ステントグラフト内挿術

大動脈瘤の手術

ステントグラフト内挿術は、ステントグラフトを収めたカテーテルを脚の付け根の動脈から大動脈瘤に向かって挿入します。ステントグラフトは、薄い人工血管の内側にステント(金属バネ)を取り付けたもので、大動脈瘤の前後の血管壁に内側からバネの拡張力で固定します。こうすることで瘤状の膨らみに血液が流れ込まなくなり、破裂の危険性を下げます。

それぞれの手術のメリット・デメリット

メリット・デメリット

人工血管置換術のメリットは大動脈瘤が完全に消失することですが、手術による体への負担は大きくなります。

ステントグラフト内挿術は、体の負担が少ないことがメリットで、高齢者や心臓病など、手術のリスクが高い人に向いています。ただし、長い時間がたつと、大動脈瘤が再び拡大することも考えられます。また、手術の際、カテーテルの挿入によって血管壁に付着したコレステロールの塊などがはがれて、血管を詰まらせて脳梗塞などを引き起こす危険性もあります。