前立腺肥大症になったとき -私のチョイス-

昼も夜も 頻尿の苦しみ
Aさん(男性・70歳)がトイレに行く回数が増え始めたのは3年ほど前。
毎日のように突然襲ってくる尿意。その頻度はあまりに多く仕事に支障をきたすほどでした。
「会議などでトイレに行けない用事があると緊張してしまう。トイレに行った20~30分後でもまた行きたくなり、仕事にならない。」
悩みはトイレの回数だけではありませんでした。
「トイレに行っても勢いよく出ない。おなかに力を入れてもチョボチョボしか出ない。」
強い「残尿感」も感じるようになったのです。
さらに睡眠中にも尿意に襲われ、一晩に2~3回目が覚めるようになっていきました。
原因は「前立腺肥大症」
悩んだAさんは泌尿器科を受診。超音波で検査してもらったところ、Aさんの前立腺は通常の3倍ほどの大きさに肥大していました。Aさんは重度の「前立腺肥大症」だったのです。肥大した前立腺によって尿道が圧迫されていたことが、頻尿や残尿感の原因でした。
Aさんはさっそく薬で治療を開始。前立腺の筋肉を緩めて尿道を広げる「α1遮断薬」と、前立腺そのものを小さくする「5α還元酵素阻害薬」の2種類を使いました。
「トイレに行く回数が減ってすごく快適になった。でも半年過ぎた頃から効果が薄れてきた。」
薬で一時的には改善したものの、再び治療前の状態に戻ってしまったのです。
尿道を広げる最新治療
頻尿に悩みながら2年が経ったころ、Aさんは承認されたばかりの新しい治療法「経尿道的前立腺吊り上げ術」を医師から提案されました。

「経尿道的前立腺吊り上げ術」は、尿道から専用の器具を挿入して、1cm未満の小さな金具を前立腺に埋め込む手術です。4~6か所に金具を入れることによって金具が前立腺を締め上げ、尿の通り道を広げて正常な排尿ができるようにします。この手術にかかる時間は、わずか15分ほど。体への負担も少なく入院期間は4日間です。
手術後、Aさんを長年悩ませていた頻尿や残尿感はなくなりました。
「1週間もしないうちに頻尿や残尿感が全くなくなりました。本当に劇的です。尿も一気にドバッと出すことができて若さが戻った感じ。昔のように日々を送れるようになって感謝しています。」