起立性調節障害のセルフチェック&生活改善法

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起立性調節障害とは

起立性調節障害の症状

起立性調節障害とは思春期に多く発症する病気で、自律神経の不調により血管がうまく収縮せず、脳への血流が低下することでさまざまな体の不調が起こります。主な症状は、朝起きられない、頭痛、腹痛、めまい、立ちくらみ、吐き気など。文字通り“起立”した時に症状が現れやすくなります。重症化すると、車椅子が必要になったり寝たきりになったりと生活に支障をきたすこともあります。

起立性調節障害にはさまざまなタイプがあります。「起立直後に強い血圧低下がある」「起立した時に血圧低下はないが、頻脈になる」「起立中に急に血圧が下がり、失神などを起こしてしまう」などが主なものです。

起立性調節障害のセルフチェック

下の11項目のうち3つ以上あてはまると要注意です。起立性調節障害の疑いがあります。判断のポイントはこれらの症状がとりわけ朝に強く現れることです。

起立性調節障害のセルフチェック

貧血や甲状腺の病気など似た症状がでる病気もあるため、「起立性調節障害かもしれない」と思ったら自分で判断せずに小児科や内科など医療機関を受診して医師の診断を受けましょう。

起立性調節障害の治療:3つの生活改善

起立性調節障害の治療 3つの生活改善

起立性調節障害の治療は生活改善が基本です。血圧を上げる薬などを服用する薬物療法もありますが、補助的なものと考えた方がよいでしょう。運動、水分をしっかりとること、睡眠リズムを整えること、この3つを継続することが大切です。

①運動

運動をすることで心肺機能が向上し、血圧が安定します。診断・治療のガイドラインでは15分〜30分程度の軽いウォーキングが推奨されています。
立ち上がることが困難な場合は、座ったままかかとを上げ下げする運動がオススメです。
ふくらはぎが鍛えられます。ふくらはぎは第2の心臓と呼ばれ、筋肉がつくと足に滞っている血液をより多く心臓の方に押し戻すことができるようになります。目安は1度に20回を2セットです。
(※体調を考慮して無理のない範囲で行ってください)

座ったままかかとを上げ下げする運動
座ったままかかとを上げ下げする運動

②水分をしっかりとる

水分をしっかりとると体の中の水分量が増え、血圧が安定します。1日1.5〜2リットルの水分をとるようにしましょう。また、塩分も大事です。医師の指導のもと、1日3グラム多めを目安に塩分をとるようにしましょう。

③睡眠リズムを整える

夜ふかしや朝寝坊をせずに睡眠のリズムを整えると自律神経のバランスがとれます。寝る前にパソコンやスマートフォンの画面を見ていると脳が興奮して寝付けないことがあります。寝る1時間くらい前からは控えるようにしましょう。

立つときのポイント

立つときは動作や姿勢を工夫すると症状が和らぐことがあります。
立ち上がるときはまず頭を下げて前かがみになり(状態によっては、写真よりも深く頭を下げる)、腰を持ち上げるようにしましょう。それから頭を持ち上げて前を向くようにします。30秒くらいかけてゆっくりと行うとよいでしょう。

立ち上がるときに頭を下げて前かがみになる
頭を持ち上げて前を向くようにする

長時間、立ち続けなければならないときは足を交差させたり、その場で軽く足踏みをしましょう。足にたまった血液が上にあがりやすくなります。

長時間、立ち続けるときのポイント

起立性調節障害にオススメの装具

起立性調節障害にオススメの装具

弾性ストッキングや腹部バンドなど圧迫することで下に血液がたまるのを防ぎ、血圧低下を防止する装具は適切に利用すると効果があります。こうした装具を1日中着けていると不快だったり、苦しくなったりすることもありますので、症状が強くでる午前中などに装着し、具合が良くなったらはずすようにしましょう。継続することが大切なので、装着しやすいものを選ぶとよいでしょう。

この記事は以下の番組から作成しています

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    不登校の原因!?起立性調節障害ってどんな病気?