がんの治療中の方へ 新型コロナウイルスの重症化リスクと注意点

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肺がん 熱がある せきがでる 体がだるい 息切れがする・息苦しい 味がわからない

糖尿病や心臓病などの基礎疾患がある人や、がんの治療中の人が新型コロナウイルスに感染すると、重症化するリスクが高いことがわかってきました。新型コロナウイルスから命を守るためにはどうすればよいのか。
がんの治療をしているみなさんへ専門医からのメッセージです。

がん患者は重症化のリスクがある

まだ十分に明らかな研究結果が出ているわけではありませんが、がんの治療をしている人が新型コロナウイルスに感染すると、重症化する可能性が高いことがわかってきています。
中国の研究では、がん患者はそれ以外の人と比べて重症化する割合がおよそ5倍高いという報告もあります。

がんの治療中は感染リスクが高い可能性も

がんの種類や進行度にもよりますが、がんの治療をしている人は一般的に体力が低下しやすく、感染症には注意が必要とされています。
また、抗がん剤などの薬を使う化学療法によって、免疫の働きが低下してしまうことがあります。これは抗がん剤が、がん細胞だけでなく、正常な細胞まで攻撃してしまうことがあるからです。

抗がん剤が正常な細胞まで攻撃してしまう

白血球は感染症などから体を守る免疫細胞ですが、抗がん剤が骨髄にある白血球を作る細胞にダメージを与えると、白血球が新たに作られなくなってしまいます。そのため、免疫の働きが低下し、感染症が重症化する恐れがあるのです。

患者さんの体調やがんの進行度、薬の種類によっても異なりますが、治療によって白血球が減り、一時的に免疫の働きが低下してしまうことがあるため、感染した場合は重症化しやすいと考えられます。
治療を終えて1~2年経っている人も、免疫の働きが低下している場合があるので注意してください。

肺がんの人は特に注意を

がんの中でも、特に肺がんには注意が必要です。肺がんの人は、がん細胞の広がりや治療によって、呼吸機能を担う肺の表面積が小さくなってしまっています。そのため、新型コロナウイルスに感染して肺炎を起こすと、重症化しやすいと考えられます。

肺がんの方は新型コロナウイルスに特に注意する

新型コロナウイルスに感染すると、がん治療は中断に

新型コロナウイルスに感染すると、重症化して命の危険があるだけでなく、がんの治療自体も中断してしまいます。治療の中断は、がんが進行するリスクにつながる大きな問題です。

がんの治療中の方へ 新型コロナウイルスに関する注意点

何よりもまず、感染しないことが大切です。手洗いやアルコール消毒といった衛生対策をしっかり行い、感染症の予防を徹底しましょう。

新型コロナウイルスの予防に効果的な正しい手洗い方法

病院を受診すること自体も感染のリスクとなる恐れがあります。可能であれば、受診の頻度を減らすとよいでしょう。治療を受けている医療機関で担当の医師に、必要に応じて相談し、治療や検査の方針を改めて確認してください。

一方、感染をしっかり予防し、必要な治療を受けることも大切です。自己判断で治療や検査を中止せず、担当の医師に相談してください。

化学療法(抗がん剤)の治療について

化学療法では、薬の種類や投与間隔を変えたほうがよい場合もあるかもしれません。

化学療法は薬の種類や投与感覚の変更

抗がん剤についても、のみ薬であれば受診の間隔を空けることも検討できるでしょう。状態が落ち着いているのであれば、1回に数週間分の薬を出してもらうことも考えられます。また、電話などで症状を確認して処方を受けるという選択肢もあります。

新型コロナウイルスの感染が疑われる場合

新型コロナウイルスの感染が疑われる症状が出た場合、がんの治療中であっても「いつものように病院に行く」ということはやめましょう。まずは、治療を受けている医療機関の担当の医師に電話などで状態を知らせ、どのように対応すればよいのか相談してください。

家族の感染予防も重要

本人だけでなく、家族も感染予防を徹底することが重要です。家族が感染し、治療中の患者が濃厚接触者となった場合にも、がんの治療は一時中断することになります。
院内での感染リスクを下げるためにも、受診時の付き添い人数を減らす、不要不急の面会をしないといったことにも留意しましょう。

がん患者 家族の感染予防のポイント

医師からのメッセージ

私たちも多くのがん患者さんの治療が止まってしまわないように、患者さんをできる限り遅れなく治療できるように、頑張って全力で支えていきます。大変なときですが、力を合わせて乗り越えましょう。

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この記事は以下の番組から作成しています

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