坐骨神経痛の原因は?
脊椎には尻から脚へと続く坐骨神経が通っていて、なんらかの原因で坐骨神経が刺激を受けると、しびれが尻や脚に走ります。これがいわゆる坐骨神経痛です。

しびれを伴う坐骨神経痛の原因は、主に2つあります。まずは、背骨を形づくる椎骨の間でクッションの役割を果たしている椎間板に問題がある場合。椎間板に負担がかかって飛び出して、神経を圧迫するのが「椎間板ヘルニア」です。
そして、もう1つは椎骨と椎骨の間の椎間関節に原因がある場合です。その多くは関節の変形に伴い、脊椎にある神経の通り道、脊柱管が狭くなり、中を通っている神経が圧迫されて、痛みやしびれを引き起こす「脊柱管狭さく症」です。
この2つのタイプにそれぞれ合ったエクササイズを行うことで、しびれや痛みを和らげることが可能です。ただし場合によっては悪化につながる場合もあるので、必ず医師と相談のうえ行ってください。
しびれや痛みを和らげるタイプ別のエクササイズ
椎間板タイプ編(椎間板ヘルニアなど)
主に、椎間板ヘルニアなどが疑われる、椎間板タイプの人向けのエクササイズ、ハンドニーです。椎間板の周りについているインナーマッスルを上手に使って背骨、それから椎間板を安定させるのが目的です。

四つんばいになって、おへそを引き込むようにしておなかに力を入れます。そして、おなかに力を入れたまま、口から息を吐きながら、片脚をまっすぐ床と並行に上げてゆきます。

骨盤が傾かないように気をつけましょう。おなかに力が入っていると、骨盤が安定します。

その姿勢で20秒静止したら、骨盤が動かないよう気をつけながら脚をかえます。両足で2回繰り返して1セット。1日2セットが目標です。
椎間関節タイプ編(脊椎間狭さく症など)
主に、脊柱管狭さく症などが疑われる、椎間関節タイプ向けのエクササイズです。四つんばい正座と呼ばれるものです。

上のエクササイズ、ハンドニーのときと同じように、おなかに軽く力を入れます。そして腰と背中全体を丸めるイメージで、息を吸いながら背中を丸めます。

そしてお尻を後ろに引いて、かかとにつけます。正座を行う要領です。このとき背中は丸めたまま行ってください。背中を丸めると脊柱管は広がります。2回繰り返して1セット。1日2回が目標です。
また、椎間関節に問題があるタイプの人は骨盤が前に傾き、いわゆる反り腰になっている人が多いのが特徴です。前傾した骨盤のクセを正すためには、太ももの前の筋肉のストレッチが有効です。

片方の足の先を、手で後ろから引っ張ります。ひざの頭はもう一方の足に合わせましょう。できるだけ腰が反らないように注意してください。10秒しっかり伸ばしたら、足を替えます。転倒に注意して無理せず行ってください。

脊柱管狭さく症の人は、足が痛んで長く歩けないということがあります。歩いてつらくなりそうな時に、このストレッチをすると予防になり、歩く距離を伸ばすことができるかもしれません。
今しびれや痛みが出ている人は、そのままにしておくと進行して10年後には動けなくなってしまうかもしれません。そうならないように積極的に体を動かすことが大切です。