保湿と補湿で肌のかゆみを予防 適切なスキンケア方法

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皮脂欠乏性湿疹 発疹が出た かゆみがある 乾燥する できものがある 皮膚

肌のかゆみ “保湿”と“補湿”で

肌の潤いは、肌の中の水分を保つ機能と、その水分の蒸発を防ぐ機能によって保たれており、中高年になると、どちらの機能も衰えてきます。単に水分を補うだけでは不十分です。肌の中の水分を補う「補湿」と、水分の蒸発を防ぐ「保湿」を意識したスキンケアが重要です。男女問わず、適切なスキンケアを習慣にしましょう。

  • ステップ①補湿
    加齢などで、肌の水分量は減少します。まずは、肌に水分を補って調子を整える「補湿」を行います。
  • ステップ②保湿
    肌の表面に油分を含む保湿剤で“ふた”をして、肌の中の水分の蒸発を防ぐ「保湿」を行います。

4つの保湿剤を使いこなせ!

補湿と保湿の機能をもつのが保湿剤です。保湿剤は数多く市販されていますが、大きく4つのタイプがあります。「ローション(化粧水)」「乳液」「クリーム」「軟こう」です。それぞれの特徴や効果の違いを理解したうえで、自分の肌や好み、季節に合ったものを選んでください。いろいろな成分が1つにまとまった「オールインワン」タイプもよいでしょう。

※注意:肌荒れなどが生じた場合は、使用を中止してください。

保湿剤の種類と特徴

上記の写真だと、左のほうが水分は多く「補湿」の効果が高いです。逆に、右にいくほど油分が多く「保湿」力が高いです。

  • ローション(化粧水)【誰にでもお勧め】
    水分と水溶性の保湿成分が含まれていて、肌に潤いを与えます。ただし、蒸発しやすく、乾燥をカバーする力は弱いです。
  • 乳液【ベタつきが気になる人向き】
    水分と保湿成分に、油分を加えたものです。サラッと軽いつけ心地で、ベタつきが気になる人に向きます。
  • クリーム【乾燥しやすい人向き】
    乳液より水分が少なく油分が多いため、乾燥しがちな人に向いています。やや重めのつけ心地です。
  • 軟こう【ひび割れやひっかき傷などがあるときにも使える】
    油分が最も多く、保湿効果が高いです。刺激が少ない。

乾燥予防の“スキンケア”

保湿剤は、まずローションで潤いを与え、次に乳液やクリーム、軟こうでバリアをするのが基本。ただし、乾燥が気にならない夏場はローションのみでもよいかもしれません。肌の調子に合わせて選びましょう。朝とお風呂上がりなど1日2回塗るとよいでしょう。お風呂上がりは肌の水分が蒸発しやすいため、タオルで水気を拭き取ったら、おおむね5分以内に塗るとよいでしょう。それ以外にも肌の乾燥を感じたら、適宜塗りましょう。保湿剤は、やさしく、まんべんなく塗り広げるようにします。ティッシュペーパーを広げて肌に当てて、ゆっくりはがれ落ちるくらいが適量です。

入浴のポイント

熱いお湯に長くつかると、肌を覆っている皮脂がお湯に溶け出して肌が乾燥し、かゆみが強くなります。42℃以上の熱いお湯につかったり、長湯をしたりすると、皮脂がお湯に溶け出してしまいます。肌の潤いを保つためには避けたほうがよいでしょう。また、体をゴシゴシ洗うのもよくありません。肌を傷つけたり、皮脂を過剰に落としてしまいます。よく泡立てたせっけんをつけた手のひらや、柔らかいタオルでやさしく洗いましょう。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2022年12月 号に掲載されています。

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    冬の不調 医師が解決します!「"肌のかゆみ“保湿”と“補湿”で"」