安全な海外旅行を楽しむために!デング熱・マラリア・A型肝炎・B型肝炎などに注意

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セルフケア・対処熱がある発疹が出た下痢がある体がだるい

海外旅行 とくに注意が必要な感染症とは

旅行会社が2022年4月に行ったインターネットアンケートでは、40%以上が2022年夏までに海外旅行に行きたいという結果になりました。安全に海外旅行を楽しむには、感染症対策が重要です。とくに注意が必要な感染症は「肝炎」「デング熱・マラリア」「破傷風」「狂犬病」です。

A型肝炎は魚介類などの食べ物から感染するため、1週間程度の短い滞在でも注意が必要です。B型肝炎は体液や血液を介して感染することが多いです。また、タトゥー(入れ墨)やピアスをあける際に、汚染された器具を通して感染するケースも増えています。デング熱は2022年、シンガポールで流行し、注意喚起が行われています。アジア諸国では都市部ならデング熱、地方ならマラリアが多い傾向があります。破傷風は傷口に破傷風菌が入り込んで毒素を出し、それが神経に作用してさまざまな症状が起こる病気で、発症すると死亡率が非常に高いのが特徴です。また動物由来の感染症のうち最も注意が必要なのが狂犬病です。発症後の致死率はほぼ100%。イヌだけではなく、ネコやネズミなど哺乳類すべてが感染源になります。インドやフィリピンなどで流行しています。

海外旅行前・旅行中・旅行後 それぞれに注意を

海外旅行前の感染症対策

糖尿病や高血圧、呼吸器疾患などの基礎疾患がある人では、感染症が起こりやすく、重症化しやすいです。旅行の前に担当医に相談し、渡航の是非について検討するようにしましょう。また、どんな感染症が流行しているのかなど現地の最新情報を厚生労働省検疫所や外務省のホームページなどで確認するようにしましょう。危険な感染症が流行しているような場合は渡航先に応じたワクチン接種・予防薬の処方を受けるようにしましょう。また、海外では医療費は全額自己負担で、かなり高額になるため、海外旅行保険に加入することも重要な準備といえます。

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外務省のホームページはこちら
※NHKサイトを離れます

旅行中の感染症対策

海外旅行中、現地ではこまめに手を洗うようにします。生肉など加熱が不十分な食品や不衛生な状況で調理された料理やカットフルーツなどは食べないようにします。果物や野菜は食べる前によく洗うなど、一般的な衛生対策を心がけましょう。また、動物との接触は可能な限り避けます。せき、発熱、腹痛、下痢など気になる症状がある場合には、他者との接触を最小限にします。旅行に支障が出るほどの重い症状がある場合には、医療機関を受診するようにしましょう。

旅行後の感染症対策

帰国したときに症状がある場合は、空港内などの検疫所に相談します。また、帰国後1か月ぐらいの間に、せき、発熱、腹痛、下痢などの症状がみられたら、直接医療機関には行かず、事前に最寄りの保健所に電話したうえで、海外に滞在していたことを伝えます。症状がある間は、他者との接触を最小限にします。

この記事は以下の番組から作成しています

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