ぐっすり眠るための新習慣
変形性ひざ関節症でひざの痛みを抱えている人のうち、およそ4人に1人が夜間の痛みに悩んでいるという調査報告があります。
夜、ひざが痛くなる原因ははっきりとはわかっていません。一説には、ひざの痛みより仕事や家事に意識が向きやすい日中は脳が痛みを感じづらく、痛みに意識が集中しやすい就寝時に強く感じてしまうのではないかといわれています。
就寝時にひざを曲げた方が楽になったり、ひざを伸ばしたときに痛みを感じたりする場合は、ふくらはぎの筋肉が原因かもしれません。硬くなった筋肉をストレッチでほぐすと効果的です。
段差ストレッチ

藤田医科大学病院 理学療法士 日髙雅大

※実際に行う際は階段や低い台など安定した段差を活用しましょう
段差に上ったら両足のかかとを出し、かかとを10回程度上げ下げします。
壁や手すりなどにつかまり、転倒には十分気をつけて行ってください。
眠るとき

ひざを伸ばすと痛いときはひざ下にクッションなどを入れて横向きや仰向けになります。
ひざが軽く曲がるようになるので、痛みが和らぎます。
手強い痛みは受診を
変形性ひざ関節症の患者さんで痛みが強い場合は、医療機関でのみ薬や貼り薬、塗り薬や注射による治療が行われます。
記事『膝の痛みや炎症を緩和させる「変形性ひざ関節症」の薬、効果と副作用』
長引く痛みの治療法
3か月以上痛みが続く場合は、中枢感作が起こっている可能性が高いと考えられます。
私たちの体には、自然に痛みを和らげる「痛みのブレーキ」をかける仕組みがあります。しかし、炎症による刺激が繰り返されると脳が過敏に反応するようになり、この仕組みが働きづらくなります。つまり、「痛みのブレーキ故障」が起こるのです。そのため、ちょっとした刺激でも痛みを感じてしまい痛みが長引くようになります。この状態を中枢感作と言います。
中枢感作の状態になると、デュロキセチンという薬が検討されます。吐き気や眠気、口の渇きなどの副作用が現れることがありますが、効果が高いとされています。