各界を代表する方々の健康の秘訣や闘病記をご紹介する「あの人の健康法」。
今回は、漫画家として活躍している蛭子能収さん。
蛭子さんは2020年に、アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症の2つの認知症を併発していることを公表しました。

実際の認知症の症状は?
2014年に軽度認知障害と診断された蛭子さん。
病気は徐々に進行し、2020年、認知症と医師に告げられます。自分の家で、トイレの場所を探して迷子になったり、蛇口をどちらにひねれば、水が出るのか、わからなくなってしまうこともあるそうです。
さらに、洗濯物が・・・、倒れている妻に見え驚いて叫んだこともあったそうです。これは、現実にはないものが見える、レビー小体型認知症によく現れる幻視の症状です。
アルツハイマー型認知症によくでる記憶力の低下、物忘れに関しては・・・
蛭子:物忘れはないです。というか、若い時から自分と遊んでいるほかの人の名前とか全く覚えなかった
蛭子さんは元々、人の名前を覚えようとはしないと言います。なんとも蛭子さんらしいです。
軽度認知障害と診断されたときには、ショックを受けて、悲しくなったこともありましたが、病気のことをあまり考えないようにして、今では、すっかり前向きになったそうです。
認知症になっても自分らしく生きたい

蛭子さんは、今でも週に2本ほどの連載を抱えています。漫画を描くことやテレビの仕事をできる限りしたいと思っています。
その気持ちに周囲のスタッフや家族も蛭子さんを支えようとしています。
蛭子:意外とこうやって(漫画を)書いてみたら、書けないことはないのでそんなに認知症だって、こうがっくりくるようなそういうものではなかったですけどね。だからそのうち治るだろうと思って、自分では何も変えずにそのままずっと生きてきた感じですね。
認知症になっても、自分は自分という蛭子さん。自分にとって認知症はそんなにマイナスにはならないと言います。
Q:認知症になっても仕事を続けたい理由は?
蛭子:仕事はないと人は先に進めないので、仕事はしたいですよ。ずっと。
とにかく一番つらいのは仕事ができなくなることなんで、できないようになるまでは自分は病気だということはなるべく考えないようにしています。
Q:病気だと言われると、外に出るのが嫌になったりはしない?
蛭子:とにかく誰と会ってもニコニコできるようにだいたいこう笑うようにしています。
自分自身で、その方が話していても楽しい。
Q:人前で、失敗したりして笑われるから人に会うのはやめようとか思わない?
蛭子:人は失敗するものだし、失敗しても、あ、ちょっと「てへへ」って笑うぐらいで。
何か失敗は誰でもするものですから、そんな失敗したぐらいでくよくよ考えたりというのはしない。
悪いことは必ず起きるって思ってるので、なるべく明るい方に持っていきます。
Q:今の蛭子さんの目標は?
蛭子:とにかく命があればいい。だから生きていればいいということですね。
死んでしまえばもう終わりですから、とにかく生きるようにという考えを常に持っています。
妻にありがとう
仕事がない日には、家で片付けをするなどゆったりとした日々を過ごす蛭子さん。
ときには、奥様と一緒に散歩に出かけることもあるそうです。何よりも奥様と2人で過ごすことが大好きなようです。
蛭子:(妻と)いるだけで楽しいですよ。やっぱり女房といるときが一番いいです。
落ち着きもするし、ほっとするし、このまま誰も来なくてもいい、何しろ、ずっと一緒に女房といたいタイプですね。
最近では、奥様への感謝の気持ちを言葉にするようになったそうです。
蛭子:いつもご飯作ってくれてありがとう
感謝の気持ちを言葉にすることは、気恥ずかしく、当たり前のことだからと今まで、口にしたことはなかったそうですが、今では、感謝の言葉を言うことで、いつもと違った世界のことを楽しめる。
と思って、感謝を伝えるそうです。
