乾布摩擦とは?効果的なやり方と驚きの健康効果

更新日

セルフケア・対処東洋医学

日本の健康法として知られる「乾布摩擦」。実は、インド伝統医学「アーユルヴェーダ」をルーツに持つという説があります。皮膚を優しくこすると、冷えやむくみの改善が期待できるといいます。そこで番組では、体の不調に悩んでいる皆さんに協力いただき、「乾布摩擦」の健康効果を大調査!すると1か月後、驚きの結果が得られました。

乾布摩擦のチカラとは?

寝る前の乾布摩擦でぐっすり眠れた!?

乾布摩擦には、どんな健康効果が期待できるのか?番組では、体の不調に悩んでいる皆さんに、乾布摩擦を朝晩1か月おこなってもらい、その効果を検証しました。
今回おこなったのは、柔らかなタオルを使い優しく手足をこする乾布摩擦です。1回5分、朝起きたときと夜寝る前の1日2回おこなってもらい、疲労感や睡眠、生活の質など、さまざまな項目を調べました。すると1か月後、12人中10人が、実験前より実験後のほうが熟睡感が増したと回答しました。

なぜ、睡眠に改善がみられたのか。実験に協力してくれた東京都健康長寿医療センターの医師・杉江正光さんによると、乾布摩擦を1か月おこなったあとでは、自律神経機能に改善がみられ、それが睡眠の改善に繋がっている可能性があるといいます。
自律神経には、体を活動モードにする「交感神経」と、リラックスモードにする「副交感神経」があります。乾布摩擦をおこなったときの自律神経の変化を調べたところ、乾布摩擦をおこなっている最中は交感神経が、そのあとは副交感神経が活発になることがわかりました。つまり、寝る前に乾布摩擦をおこなったことで体がリラックスモードになり、睡眠の改善につながったと考えられます。

乾布摩擦を行った時の自律神経活動の変化

「やさしい乾布摩擦」をためしてみよう

今回の乾布摩擦は、柔らかいタオルを使い、手足を優しくこする方法でおこないました。実践する際は、以下の点にご注意ください。

  • 柔らかいタオルを使う(硬い素材は避けてください)
  • 強くこすりすぎない(気持ちいいと感じるくらいの強さで)
  • 皮膚の弱い方、皮膚に異常がみられた方は避けてください

【乾布摩擦をおこなうタイミング】
1日2回・・・①朝起きたとき ②夜寝る前

【乾布摩擦のやり方】

  • イスに座った状態でおこないます
  • 薄手の服や部屋着を着たままでも大丈夫です
  • 呼吸を止めずに、タオルをゆっくり大きく動かし、優しくこすってください

まずは、タオルを折りたたんで使います。

①腕

腕の乾布摩擦

・腕の外側、内側、前側、後ろ側の4面を各2往復ずつ、ゆっくりこする

・終わったら、逆の腕も同じように

②脚

脚の乾布摩擦

・脚の外側、内側、前側、後ろ側の4面を各2往復ずつ、ゆっくりこする

・終わったら、逆の脚も同じように

次は、タオルを広げて使います。

③背中

背中の乾布摩擦

・右手を上にして10往復

・無理のない範囲で少しずつ場所をずらし、背中のさまざまな場所をこすってください

・終わったら、左手を上にして、同じように10往復

④頭

頭の乾布摩擦

・タオルを頭にかぶせ、両手を使い、頭から耳の後ろをとおって首まで、10~20回こする

・上から下になでるように、優しくゆっくりこすってください

最後に、もう一度タオルを折りたたみます。

⑤手のひら

手のひらの乾布摩擦

・両手でタオルを挟み、1秒間に3往復くらいの早さで手のひらをこする

・目安は約1分間

この記事は以下の番組から作成しています。

東洋医学

東洋医学ホントのチカラ「今こそ元気に!健康長寿SP」

2021年2月27日(土)午後7:30~[総合]