避難ルートを意識しながら自宅や職場の近くをウォーキングすることは、もしもの時自分の命を救うことにもつながります。
運動の代表格ウォーキングの効果や実践方法をはじめ、いざというときに役立てる視点をお伝えします。
ウォーキングの効果

通常のウォーキング(最大体力の40-50%程度の強度)で期待できる効果というものには、以下のようなものが挙げられます。
ストレスの軽減
ウォーキングに限らず、適度な運動でスッキリしたと感じたことのある方は多いと思いますが、リラックス効果を高めることが知られています。
睡眠の質の向上
思いついた時だけ行うのではなく、ウォーキングを習慣化させることがこういった効果につながります。
生活習慣病予防効果
歩くことで、脂肪が減少して「肥満の解消」になったり、血圧、血糖、悪玉コレステロールの値がよくなり、「高血圧」「糖尿病」「脂質異常症」などの生活習慣病の改善や予防につながったりします。
骨粗しょう症の予防
骨に刺激が加わるため、骨粗しょう症の予防効果にもつながります。

さらに、ウォーキングに早歩き・速歩(最大体力の70%程度の強度)を入れると、さらなる生活習慣病予防効果、脚筋力や持久力の向上、認知症予防も期待できます。
効果的なウォーキング方法
ウォーキングの基本姿勢をおさえて、効果的なウォーキングを実践しましょう。基本姿勢のポイントは5つです。
①視線は真っ直ぐ前を見ます。②上半身は肩の力を抜いてリラックスします。
③腕は後ろに引くことを意識します。
④手は軽く開きます。
⑤足はかかとから着地します。

特に③と④は、腕を大きく振って歩幅を広くし、脚の筋力の活動を高めるために大切です。 手をグーに握りしめてしまうと、首から肩の筋肉が緊張してしまい、腕の前後の振りが小さくなってしまいます。腕の振りが小さくなると歩幅も狭くなって、脚の筋肉の活動が低下してしまうので、気を付けましょう。
ウォーキングは、1日30分~60分、週に3-4日すると効果的です。
ウォーキングの時間をまとめて確保できない場合、数回に分けて断続的に行っても同様の効果が得られます。運動習慣がない方や体力に自信のない方は、目標値に捉われ過ぎず、1日の生活のところどころにウォーキングを組み込んでみましょう。
災害に備え、ふだんからできることを
もしもの時のために普段から備えることは大切です。具体的にどのような備えができるのか、見ていきましょう。


災害時に備えふだんからできること
地域の災害リスクを知る
自宅周辺はもちろん、職場や普段よく訪れる場所にどのような災害リスクがあるのか、イメージをしておくことが大切です。そこで役立つのが、ハザードマップ、被害予測地図です。
各市区町村の防災担当窓口やHP、国土交通省のハザードポータルサイトでも確認できます。
避難経路を知る
自分のいる場所から、避難場所までどのようなルートで避難するのか、具体的な情報を知っておきましょう。
自分の体力を知る
いざというとき、自分自身に「避難するための力」があるのか把握しておきましょう。迅速に避難できるのかどうか、自分の体力や移動時間を知っておくことはいざという時の備えとなります。
災害が起きたら必ずしも舗装された道を歩けるとは限りません。ガラス張りのビルの横やブロック塀の続く道、河川の近くは危険が伴うこともあります。いつもの歩きなれた場所に、災害が起きた時に危険な場所がないかチェックしたり、あえて坂道や段差、ぼこぼこした道を歩いてみたり、日頃のウォーキングから災害に備えてみましょう。避難所までの経路も2~3コース想定しておくことをおすすめします。
災害時に備えふだんからできる運動
その場足踏み
大きく腕を振って、太ももを床と平行になるくらい上げ、その場で足踏みをします。その場足踏みはウォーキングと同じ効果が得られます。
つま先上げ
椅子や壁につかまりながらつま先を上げます。
脛(すね)の筋肉が衰えると、ちょっとした段差や小石につまずきやすくなってしまいますので、転倒防止のためにも鍛えておきましょう。
かかと上げ
つま先上げと同様につかまりながら、かかとを上げます。ふくらはぎの収縮と弛緩を繰り返すので、心臓に血液を送り込むことにつながります。
これらの運動はふだん家にいる時も、いざ災害時に避難所で過ごす場合にも、狭い空間で実践できます。災害時を想定して、日ごろから運動を習慣化するようにしましょう。