がんを引き起こす原因とは

日本人の死亡原因1位の「がん」。
私たちの体は、約40兆個の細胞で成り立っています。細胞には遺伝子が入っており、細胞分裂をしながら、その遺伝子情報を新しい細胞に伝えています。ところが、分裂する際に正常な細胞がなんらかの原因でミスコピーが起きてしまうことがあります。このミスコピーがどんどん重なっていくことでがん細胞ができてしまいます。その後、何もせずにいるとがん細胞は急速に勢力を拡大して周囲の臓器や神経を圧迫し、臓器の機能低下や激しい痛みなどを引き起こします。これがいわゆるがんです。
がんに関するこれまで行われてきた国内外のさまざまな疫学調査を集大成し、科学的手法で分析を重ねた結果、生活習慣ががんの原因として重要であることが示されました。特に、「喫煙」「飲酒」「肥満」「身体活動量が少ない」「バランスの悪い食事」の5つの生活習慣は、がんを引き起こす重要な要因になります。
がんを予防するためには、こうしたリスクを減らす健康習慣を持つことが大切です。これまでの研究を総合すると、日常生活で「禁煙」「節酒」「適正体重の維持」「体を動かす」「バランスの良い食事」の5つに気をつけている人は、がんのリスクが低いことが示されています。これらの5つの健康習慣のうち、何もしていないか、1つ実践している人ががんに罹患するリスクを100%とすると、5つすべて実践している人の罹患リスクは、男性で57%、女性で63%と、男女ともに大幅にリスクが低くなっています。